助けてください
早く終われ、早く終われ!と願いながら只一松くんのセクハラに耐えていると急にその手の動きが止まった。不思議に思っていると、「んじゃ」と鞄を持って帰ろうとしている。
「また、よろしく。百瀬サン」
含みのある笑みで教室を出ていった。えっ…「また」って、「また」って…!これで終わりじゃないってこと?静まり返った教室にはわたしひとりがぽつんと残された。そして先程の行為とこれからの未来を考え、ぺたんと床に座り込んだ。
次の日、昨日の出来事で眠れなかった私は見事に寝坊をしてしまった。走れば何とか間に合いそう…!階段を駆け廊下に出ると急に腕を引っ張られ男子トイレへと連れ込まれた。
「ひゃっ!?」
個室へとバタンと閉じ込められ、漸くその人物を見ると…やはり嫌な予感的中、松野一松くんだった。
「えっ、ええ?ちょっとあの…わ、わたし遅刻しそうで…」
混乱しながらも出ようとすると、壁に追いやられ掴まれた腕は顔の横に押さえつけられる。
「あ、あの…一松くんも遅刻じゃ…」
わたしの言葉を遮ったのは一松くんではなく、校内に響き渡るキーンコーンカーンコーンという音だった。
終わった…遅刻確定…
そして何をされるんだろう…!
助けて下さいチョロ松くん…