彼はもしかしたらオオカミなのかもしれない


人生で初めて「どうぞ触ってください」と言わせられた。もう恥ずかしくて恥ずかしくて一松くんの顔なんか見られない。もう悪夢だと思いたいし、そんな夢なら早く目覚めたい。顔は同じでも、何故こんなにも兄弟性格の違う…天使と悪魔くらい差のあるこの人に間違えて告白をしてしまったのだろう。数分前の自分を恨みたい。
一松くんは悪い顔をしながらわたしの後ろへと移動すると、机に腰掛けて背中から抱きしめられるみたいに包まれる。少しドキッとした後、制服の上から胸を触られた。

「うわー、すげえ。手のひらに収まらないんだけど」

一松くんは粘土を捏ねるみたいに、揉んだり下から持ち上げてみたりして遊んでいるみたい。

「…ん、っ!」
「………」

一松くんはじっとわたしを背後からのぞき込むように見つめてくると、再び手を動かした。

「あんたさぁ…、感度良すぎじゃない」
「な、そんなこっ、と…っ!」
「いや、だって下着もつけててしかも制服の上からでこの反応でしょ。」

こんな行為したことないから普通がどうなのかわからないけど、一松くんの言う通りわたしが感度がいいのか、それとも一松くんが上手いのか…どちらにせよわたしの口からは聞いたことがない声が上がってしまう。抵抗も出来なくて只ひたすら与えられる快感に耐えるだけ。

「は…んぅっ!」

自分の声も体も、自分じゃないみたい。一松くんは王子様なんかじゃなく、チョロ松くんと同じ顔をした狼なのかもしれない。
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