たまらないくらい、好きだ


「えっ!?ちょっ、はっ!?百瀬さんが!?…コイツを!?好き?!」

ただでさえ先程のるりの「好きなんです!」はこの階に響き渡るくらいの大声だったというのに、この兄貴はわざわざご丁寧に再び同じ内容を叫んだ。いや、分かるけど、普通びっくりするし。
るりは顔を赤くしたまま俯く。

「一松くんにヤキモチを妬いて…泣いちゃったんです…だから、一松くんは悪くなくて…わ、私が勝手に…だから、」
「………」

何だよ、それ。ヤキモチ妬いて、ってそんな可愛いこと言うなよ。どうしていいか分かんねーよ。こんな時何て言うのが正解なんだよ。
チョロ松兄さんは口をだらんと開けて、はっとすると「何だよ、俺ただの邪魔者じゃん…」と申し訳なさそうに僕のシャツから手を離した。

るりは「いや、そんな…でも庇ってくれてありがとう…」とチョロ松兄さんに謝っていて、俺のシャツは乱れたままで、それを直す程冷静ではなかった。
ただ一つだけ、思ったことは。俺はもう堪らないくらいコイツが好きだ、ということ。

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