いつかは言わなければいけないと思っていた｡
このままでは､本当に曖昧なまま全てが終わってしまうかもしれない｡
大袈裟に聞こえるかな｡俺は本気だけど｡
｢秋｡少し､いいかな｡ 話があるんだ｣
秋は､少しだけ寂しそうな顔をした｡ きっと､今俺が何を言いたいのか感付いているのだろう｡
不安な色をしている眼を直視する事ができず､ただ時間だけが過ぎていく｡
俺は､
｢秋､俺は｣
君のことが
｢一之瀬くん､待って｡ …それ以上は言わないで､｣
｢…秋?｣
秋は小さく震えていた｡
俺はそんな秋を抱き締める事さえできない､否､許されないのだ｡
｢ごめんな､秋｡ 秋を困らせるつもりはなかったんだ｣
ただ俺の気持ちを知ってほしかっただけで｡
強引に抱き締める事だって､無理矢理キスをする事だってできるはずなのに､結局俺には大切な人にそんな事をする度胸などない｡
あぁまた泣かせてしまった｡
いつか見たさよなら