アイツからメールが来たのは数時間前。
「16時に公園」のみの超短文メールだ。
ちなみに今の時刻は、16時を当に過ぎ短針が6をさそうとしている。
完璧にアウトね。
行くつもりはなかった。
だから返信もしてないし、服も適当なルームウェアで、髪もボサボサ。
あー、なんかお腹すいてきた。
と思った瞬間、突然鳴り響く着信音に不覚にも体を強ばらせてしまった。
携帯の画面には「ハゲ」の二文字と、そのハゲの電話番号が映し出されている。
「……何」
『なぁお前メールみた?
んで来ねぇんだよ。2時間も待たせやがってバカか』
「あんた待ってたの?
気持ち悪いんだけど」
『いいから来い。走って来い』
話の途中でパワーボタンを押した。 アイツうるさい。
仕方なくクローゼットからパーカーを取出して羽織る。
久々に着たパーカーは、防虫剤の匂いがした。