※春奈ちゃん病んでます










わたし、こんなに強くなったのよお兄ちゃん。

今ならお兄ちゃんと対等に戦える自信があるな。
負けないよ。 だってわたし、強くなったもの。


赤いマントも似合うでしょ?
お揃いだよ。お兄ちゃんのまねしたの!

ボールだって、こんなに速く、強く蹴れるようになったわ。
ゴールキーパーなんていてもいなくても同じだよね。
だってわたしが蹴ったボール、皆止められないんだもの。

皆ね、まさか!って顔するだもん。 笑っちゃう。






ねぇお兄ちゃん、なんで何も言ってくれないの?
わたしこんなに強くなったのに、褒めてくれないの?
いいこいいこしてよ。抱き締めてよ。春奈は偉いなっていつも言ってくれるじゃない。ねぇお兄ちゃん、どうしてなんでなんでなの。





…そうか。
そういえばお兄ちゃん、わたしの事嫌いだったよね。 わたしの事嫌いだから褒めてくれないんでしょう?


違う?


お兄ちゃん昔から「違う」ってよく言ってたね。


何が違うのよ。


結局あの時だってわたしを捨てたんじゃない。


ねぇ何が違うの?





答えてよお兄ちゃん。
だいすきだから、ねえ。








(少年は力なく、地面に膝をつく)












あぁ不釣り合いだ








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テーマ「人外ファンタジー」
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