どうしよう、眠れない。
ベッドに沈んだのは確か22時過ぎくらい。
なんとなく眠気がこなかったので、ごろごろと寝返りばかりうっていた。
日付が変わっても、目は冴えるばかりだ。
何故だかだんだん悲しくなってきて目頭が熱くなり始めた。
寝れないから悲しいんじゃない、と思う。
夜中っていうのは昔から好きじゃなかった。
なんだか怖いし、世界中で自分1人きりになったような気がするからだ。
小さい時は、パパと一緒に寝てもらったけど今はさすがにできないな。
パパは忙しいし、何よりも心配をかけたくない。
枕元のデジタル時計に目をやれば、時刻は4時を回った所だった。 もうこのまま起きてようか。
とにかく寂しさを紛らわせようと、携帯にイヤホンを差し込んだ。脳に直接曲が流れ込んでくる。音楽を聞くときに、低音ばかりに集中してしまうのは自分の癖だ。このまま、好きな曲のベースであたしの脳みそを壊してほしかった。
ぱかぱかと携帯を開いたり閉じたりしていたら、誰かからのメール受信に気が付いた。
from ディラン・キース
subject 無題
今塔子が夢にでてきたよ〜!
夢の中でもキミはとっても可愛かった!
それだけ、返信はいらないからね
おやすみ〜
―END―
こういう時に限って、ディランは物凄くタイミングがいい。
よく考えてみれば下らない内容なのにね。
こんなメールにすら胸が一気に熱くなるあたしは病気かもしれない。
返信しようと思い、ボタンをかちかち打っていると、遠くのほうで新聞配達のバイクと夜行列車の通過音が響いた。
ベースと真夜中