泣きながら途方にくれていた、栗色の髪の女の子。
向かい風のせいで凄く息苦しそうだ。
また泣きながらさまよっている栗色の髪の女の子。
次は、いばらの道を通ったせいか真っ白な足は血だらけになっていた。
その次は、高いビルの上に立ち、気持ち良さそうに深呼吸をしているのが見えた。
そういえばどこかで見覚えがある女の子だ。
今は栗色の長い髪を一つに束ねて、こちらへと手を伸ばしてくる。
あぁ、また泣いているじゃないか。
もう泣かないでくれよ、
*
今日の目覚めは最高に悪い。
頭の中はなんだかくらくらしていた。
顔を洗おうと、部屋の扉に手を掛けた瞬間
夢の中の女の子は雷門だったのではないか、と何の根拠も無しにそう思った。
あいつ、意外と泣き虫だから本当に泣いてなければいいんだけど。
(会ったらすぐに抱き締めてやろう)
――
イメージソングはゆきちゃんの恋人よ
ぼくの恋人