21世紀の中頃に発見されたとある人物の日記帳より 『私は、今から記す事は全て“真実”だ。最も、これが今までの私の作品の如く世に出ることは恐らくないだろう。そして、その時私も恐らくこの世には居ないだろう。……しかし、偶然にしろ“必然”にしろ、君がコレを見たという事は…運命に違いない。冗談や笑い話ではなく真剣に読んで欲しい。 だが、…願わくば、……先の世がコレが“御伽噺”か“笑い話”に変わっている事を……を私は切に願う。』 『話を戻そう。これは、19世紀の中頃とある舞台に居合わせた、10人の役者達が繰り広げる物語だ。 (勿論、物語とか役者とかかこつけているだけで実際に起こった事なので勘違いしないように) -『血』の晩餐-bloody party- 私は、一連のあの忌々しい事件をこう呼んでいる。 孤独な吸血鬼の王 その王を絶対神と崇拝する部下 己の本能に正直に従う外道 復讐の為その吸血鬼達を追う狩人 好奇心旺盛な探偵 生真面目なその助手 賢妻と称される助手の細君 探求心を合わせ持つおてんばなお嬢様 そして、 私と妻もその役者の1人である、 私についての説明はもはやいらないだろう。 ただの、『著名』な作家だ。 『数世紀に渡り、語り継がれる程』のただの、……作家だ。 (偏屈屋で自信過剰で変人な売れない作家だ) ん?何やら我が妻が書き込んでいるが気にしないように。 我が妻についてだが、あれは 本当に良く出来た妻だ。 私の妻であることが勿体無い程の、 知己に富み、誇りを持った立派な……まあ、多少は鬼(ここから、文章が消されている) (涙の跡がある) ……まあ、御託は良いだろう。 文字通り、役者は、揃った。 まさしく、『智』で『血』を洗う物語に読者が満足するように踊り、狂いたまえ、諸君。 (文章は、ここから途切れている) |