ME:切なげな雰囲気
SE:走る音(廊下?)
月光30「はぁ、はぁ……【息切れ】(何よ、皆して……“また”あの人たちの娘だからって面倒事に巻き込まれなきゃならないなんて……ごめんだわ。……もう、こんな目に遭いたくない、だから……)……あのとき、“捨てた”のよ。」
SE:立ち止まる
SE:壁に手をつく
月光31「っ、……あ、……(赤くなってるし……)はあ、……最悪、」
SE:座り込む
ME:消えていく
SE:電動車椅子の音(ウィーン)
セーラ07「はぅ、よ、ようやく追いつきましたわ……。月光さん、足がお早いんですわね……」
【少し疲れたように】
月光32「っ、……き、気安く名前、呼ばないでよ……それに、なんで来たの」
SE:電動車椅子の音(ウィーン)
→止まる
セーラ08「すみません、月光さんと……お話がしたくて……、ご迷惑、だったでしょうか……」
月光33「………そうね。……それに、私自分の名前が嫌いなのよ。……人から呼ばれるのも、嫌いなの。」
SE:手をそっと持つ
月光34「っ、な、何なのよ、いきなり!」
セーラ09「……いきなり、このような場所に連れて来られ、反乱軍だの、なんだのと言われ……戸惑わせてしまいましたこと……深くお詫び申し上げますわ。……さぞ、お心を痛めたことでしょう。………今まで、つらい目に遭われてきたのですわね。」
SE:手を離す
月光35「………アナタ………あ、あれ?(確か………こっちの手、赤くなってたのに……)……まさか、」
セーラ10「わたくしは……生まれつき、足と、目があまり良くありません。しかし、その分周りの“声”や他人の“痛み”に敏感になりました。だから…………ふふ、……こんなのあまり気持ちの良いものではないでしょう?いきなり、ごめんなさいね。」
【後半は、自嘲気味に苦笑して】
月光36「………ううん………、ありがとう。」
セーラ11「……!……ふふ、いいえ。こちらこそ…………。【呟くように】……それに、月光さん……貴方の名前、わたくしは素敵だと思いますわ。だから、貴方も自分のお名前をもっと大事に、ね?」
月光37「…………、う……うん(何でだろ……この人に言われるとそこまで嫌じゃないのは……)」
セーラ12「そして……、いきなりで混乱するのももっともですが、……わたくしたちのお話を少しでも聞いてくださいませんか?他でもない、貴方に……聞いて貰いたいのですわ………、ね、皆さん」
SE:足音(カツンカツン)
コウタロウ03「やはり、ばれていましたか」
ソウマ04「……セーラは、人の気配にも敏感だし、ね。ま、ちょっとチユが煩くし過ぎたみたいだけど。……チユ?」
SE:足音(カツン)
チユ04「あの、ね………お姉さん。お姉さんは………チユ達のこと、嫌いなの?」
月光38「え?」
チユ05「……わかってる。お姉さんは、チユ達のことが………嫌いなんだよね……?だから、チユ達と一緒にいるのが嫌なんだよね……」
【泣き出しそうに、下を向きながら】
ソウマ05「…………チユ、」
SE:頭を撫でる
チユ06「………うぅ、」
【少しぐずるように】
コウタロウ04「……月光さん、確かにいきなりで混乱するのも無理はないです。……しかし、私達の話、少しは聞いて……貰えないでしょうか……。ね、チユさんも……もう泣き止みましょう。」
セーラ13「…………月光さん、」
月光39「〜、(な、なんだか……わ、私が悪者、みたいじゃない)………嫌わ、ないわよ………」
チユ07「え?」
月光40「だ、だから!……今日会って直ぐの人間を、……私は嫌わないわ。……そ、それに……まだ詳しい話も聞いてないし!」
【後半、取り繕うように】
セーラ14「月光さん……」
【薄く微笑するように】
チユ08「うぅ、お姉さんんんんんん!!!」
SE:月光に飛び込む
月光41「っは!?」
SE:盛大に転ぶ音
チユ09「うわぁああん!!お姉さん!お姉さん!月光お姉さんんんんんん!!あ、これから月光姉って呼んで良い?!私、お姉さん欲しかったの!!てか、呼ぶね!月光姉、月光姉ー!うふふ!」
SE:ベリッと2人を離す
ソウマ06「…………チユ、暴走しすぎ」
コウタロウ05「良かったですね、チユさん」
SE:ポンと手を打つ音
セーラ15「さて、話もまとまったことですし。早速、月光さんに詳しい話をしなければ、ですわね。………話をするのは……………、………コドウ、貴方からよろしくお願いしますわ」
コドウ10「……は?な、なんで俺なんだよ!他にも、適任がいるだろーが、……きさ」
【思ってもみないことに戸惑いながら、最後の名前は『如月』と言おうとして】
セーラ16「コドウ………?よろしくお願いしますわね……?」
【軽く黒笑しながら】
コドウ11「………お、おう………。ほ、ほら……てめぇ!さっさと行くぞ!!」
【動揺しながら】
月光42「(セーラって何気に、腹黒い?)あ、ちょ!待ってよ!!」
SE:駆け出す音
【少し離れた場所で】
如月28「……………………」
SE:電動車椅子の音(ウィーン)
セーラ17「………気になりますか?……ごめんなさいね?……適任は、貴方だと思うのだけれど……でも、」
如月29「…………ふ、分かってるよ。………ありがとう、セーラ」
月光43「…………で、なんでこんな事になってる訳?」
SE:どーんという効果音
SE:銃を準備する音(カシャン)
コドウ12「あ?ただ話するだけじゃ時間の無駄だからな。俺は訓練しながらとさせて貰う、ぜ」
【ぜ、でSE:銃を打つ】
月光44「……(ど真ん中……。腕は確かなようね)ふーん、あっ、そ」
【そ、でSE:銃を打つ】
コドウ13「……ひゅー(ど真ん中、か……。)やるじゃ………ふ、ふん。まぐれだろーが、やるじゃねーか。ま、センスくらいはあるんじゃねーか?」【“やるじゃねーか。”と素直に言いそうになったのを隠して】
SE:銃を乱射する
月光45「…………これも、全部自分の身を守るため、よ。………私を付け回す奴らから、……逃げるための、ね。」
コドウ14「………お前………(……そういや、そんなこと……言ってやがったか……。“自分の身を守るため”、ね)……へっ、しかし、……逃げるための手段だけだっつーなら、宝の持ち腐れだな。」
SE:銃を握り締める
月光46「………アナタに、………アナタ達に……何が分かるってのよ……私が、どれだけ………」
コドウ15「知らねーよ。てめぇが、どんな人生を歩んできたとかどんな思いでいただとか。少なくともそれは、俺には関係ねーし。知りたくもねーよ。」
月光47「………は?」
コドウ16「………ただ、………勿体ねーって思っただけだ。……“逃げるため”だけじゃねえ、“自分だけを守る”だけじゃねえ、もっと……他のことにもお前の力は生かせそうなのにな、……そう思っただけだ」
月光48「(もしかして、……この人………)………フォロー……しててくれてるの?」
コドウ17「っ!?ば、馬鹿言ってんじゃねーよ!?んなわけねーだろ、バァカバァカ!!せ、セーラが“ちゃんと月光さんに優しくしないといけませんわよ”って言われたから、ちょっと……ほんのちょーっとだけや、優しくしてやらんこともない……って思った訳じゃないからなバァカ!!」
月光49「…………ふ、ふふふ……」
コドウ18「……な、何笑ってんだよ!卸すぞ!!」
月光50「……ご、ごめんなさい(案外……この人も、悪い人じゃないの…かな?)……ね、コドウ……教えて欲しいの……アナタ達のこと……」
SE:銃を置く音
コドウ19「……“コドウさん”だバァカ。……最近のガキは躾がなっちゃいねー……そうだな。まずは、……てめぇらが居るコロニー、そして、元首……奇跡ノ音寺……についてか」
【後半は、真面目に】
月光51「……そうよ。アソコは、元首様が統治している……世界一安全な場所じゃないの?」
コドウ20「……安全?……ふ、確かに安全は安全だな……。あの場所は、“不安”や“心配”が起こらない……まさに、楽園のような場所だからよ。………だが、それと同時にアソコは…………地獄だ。」
ME:怪しげな雰囲気
SE:布が擦れる音
元首01「……時貞、時貞はいる……?」
【怯えるように、不安そうに】
秘書01「……はい、ここに。お嬢様、いかがされましたか?」
元首02「……時貞、……ぼくは怖いんだ……。本当に、これで良いのかって……間違ってないのかって………ねえ、時貞……ぼくは、……本当に、間違って、ない?」
秘書02「……ええ。貴方の行うことは、全てにおいて正しい。貴方は、間違ってない。……もし、貴方の考えを否定する愚か者が現れたのなら……この時空宮 時貞、お嬢様の怨敵を相殺致します覚悟でございます。」
元首03「……ありがとう、時貞……。ね、お願い……ぎゅってして?……もうすぐ、“彼”が来ちゃうから……それまで、ぼくをぎゅって抱きしめていて……」
秘書03「……はい、お嬢様……」
SE:抱きしめる
元首04「……時貞、時貞………。お願い、……名前で呼んで……」
秘書04「……秘亜乃様……」
元首05「……ううん、……本当の、名前……」
秘書05「……………────、」
【若干、ためらい。名前を呼ぶ雰囲気】
SE:身体を離す
元首06「………時貞ぁ、……君さあ、あんまし“コイツ”を甘やかさない方が良いんじゃない?……情が移るぜ?」
【がらりと雰囲気が変わるように】
秘書06「………はい」
元首07「ま、別に良いけど。……おーい、元老。そこに居るんでしょ?」
SE:杖をつく音
元老01「コレハコレハ、姫サマ、ゴキゲン麗シュウ」
元首08「ご機嫌とりは、いーよ。それより……準備は出来たのかい?」
元老02「……ハイ、上出来デス。アトハ、姫サマ次第デス……」
元首09「ふふふ・・・ありんこの分際でこのボクに逆らおうなんて・・・、紀元前から早いよ・・・この、神々の創造した世界からの支配者・・・『奇跡ノ音寺 秘亜乃』【きせきのおんじ ぴあの】様の前には、何者であろうと、例え『神』である“お父上”であろうと・・・這いつくばらせてあげるよ………さあ、始めようか。……イヒヒヒヒヒヒヒ!アハハハハハハハハ!!」
【エコーかけるように、印象的に】
SE:雷が鳴り響く
ME:消えていく
● back