月光 | ナノ




SE:岩肌を歩く音

月光01「きゃ!」

SE:抱きかかえる

如月01「おっと!…大丈夫か?月光」

月光02「ええ、でも…まさか地下から、皇居に繋がる道があるだなんて…」

如月02「ま、オレ達しか知らねえよこんな場所。一般人なんてましてや、だ」

月光03「…そうね…」

如月03「…心配か?あいつらの事…」

月光04「心配じゃないって言うなら嘘になるわ。…でも、私たちは、前に進まないと…」


如月04「……そう、だな…」




ME:作品を象徴するテーマ

月光05『月光玲華【ゲッコウレイカ】第五話、《過去と未来への黄昏時【ラグナロク】》』 【タイトルコール】


SE:攻撃を受け止める

コドウ01「ちっ!全く、コイツの馬鹿力には負けるぜ!本当に女かぁ!?」

チユ01「殺ス…殺ス…」

SE:押し返す


コドウ02「ただでヤられる訳にはいかねえんだよ!!(ちっ、このままじゃ埒があかねえ…セーラは、セーラは何処に…)」


セーラ01「……ソウマ……」


ソウマ01「…殺ス…殺ス…死ネ…」

SE:武器を構える

セーラ02「…弱りましたわね…。私は、戦闘要員ではありませんのに…」

コドウ03「!セーラ!!」

チユ02「…殺ス…殺ス…死ネ…」

SE:武器を振り上げる

コドウ04「ちっ!おい、てめえの相手してる場合じゃねえんだよ!」

コウタロウ01「ふふふふ、さあ、どうします?か弱いセーラ嬢がピンチですよ?コドウ君」

コドウ05「うっせえんだよ!!セーラ!逃げろ!!」



セーラ03「……もう、“潮時”でしょうか、ね」

コドウ06「…セーラ…?お前、…まさか、やめろ!!!!」

セーラ04「…コドウ、……ありがとうございます。私を、“あの鳥籠”から出してくれて…本当に、ありがとう…」

コドウ07「やめろ…セーラ、頼むから…それだけは…」


コウタロウ02「何をしようとも、無駄なあがきですよ。さあ、チユさん、ソウマさん、お二方を地獄に送って差し上げなさい!」


SE:手を振り上げる

セーラ05「コドウ…、私は、短い間でしたが、外の世界に出れて、皆さんと一緒に居ることが出来て…幸せでした…。」

コドウ08「…セーラ、俺は…まだ、お前に見せてやれてないだろ。お前に、本当の自由を教えてやれてないんだ。だから、待てよ、待てよ!!」


セーラ06「いえ、もう十分ですわ。コドウ…、貴方は私に、新しいモノを、かけがいのないものを与えてくれた…その思いを、抱いて私は行きます。


コドウ、大好きですわ。









SE:かちっとスイッチが入るような

コウタロウ03「な!?瞳が真っ赤に…!そうか、神無月は“神子”の家系。その力で…!」

SE:風が巻き起こるような

セーラ07『逃がしませんわ。コウタロウ、貴方は私と共に。この時空の狭間に入るのです』


SE:倒れる

コドウ09「チユ!ソウマ!!…(風で、コウタロウの糸が切れたのか…)」

コウタロウ04「くそ!くそううううう!!私は、こんなところで終わる訳にはいかないのだ…!完全な存在に、全てを握れる存在にならなければ、私は、私は…!!」


SE:引きずられていく



セーラ08『…御光を!!扉を開け、彼のモノと我を贄に時空の狭間を開きたまえ!!』

チユ03「ううん…」

ソウマ02「…ん、何コレ…僕らは…一体…」


コドウ10「チユ、ソウマ。気が付いたか…。アレは、セーラの力だ…」

ソウマ03「セーラの!?なんで、こんなことに…コウタロウに操られてるとこの記憶はあるんだけど…なんで、セーラがあんな状態に?」


コドウ11「セーラの、家系に伝わる御力なんだ…。自身と相手の体を生贄に、異次元空間の扉を開く。あいつも、この力を使わないと手に負えないって思ったんだろう。
でも、この力は一生に一回しか使えない。普段は、自身の身が危険に陥った時、また生涯に幕を引くときにしか発動しない。代々、神無月家の遺体はあがらねえんだ…。あいつは…」


チユ04「なんで…、セーラがその力を使わなきゃなわないのさ!今、その力を使ったらセーラは…」


コドウ12「……お前らの事を考えてのことだ…。一つはお前らの洗脳を解くこと、
そして、もう一つは…自身の身に迫っている危険分子の排除。生涯に一度しか使えないその力を今使おうと、セーラは決断したんだ…」

チユ05「そんな…セーラ!…もう、どうしようも出来ないの…?」

ソウマ04「なんとか出来る手立ては残っていないの?セーラだけがそんな運命を背負うなんて、」

コドウ13「…もう、手立てはねえよ…。力が発動したら、あとはその効力が終わるまで…。現時点であそこにいるのはもう“セーラ”じゃねえ…。その力を憑代にした、“時の番人”だ」




back


---------------


×