【終楽章】/円舞曲‐rondo‐
SE:爆発音
SE:喧噪、悲鳴
SE:警戒音【ビー、ビー】
SE:走り回る
囚人【年上】01「なんや、なんや!?一体どうなっとんねん、これ!戦争でも始まったんか?!」
囚人【古風】01「・・・分からない・・・、あ、おい!そこの!一体この騒ぎはなんだ!」
看守【男】01「っ、分からない!何者かに襲撃されているようで・・・、嗚呼、もうお仕舞だ!」
SE:壁を殴る
調教係01「っ、静かにしねえか!!!」
【静まり返る】
看守【男】02「し、しかしベルンシュタイン殿、」
調教係02「この非常時に、てめえらが落ち着かなくてどうすんだよ。ここで、一緒になって騒いでたら相手側の思うつぼだ。・・・まずは、追撃してくる相手側の応戦、と足止め、負傷者の手当てを優先しろ。・・俺様は、とりあえずこいつらを誘導して一時別の場所に避難させる。此処にいたら、危ないからな。ほら、さっさと行け」
看守【男】03「は、はっ!【敬礼】」
SE:鍵を開けていく
囚人【古風】02「ベルンシュタイン・・・」
調教係03「・・・へっ、勘違いすんじゃねーよ・・・大事な『玩具』共を傷物にしたら、俺様があの看守長サマに怒られちまうだろーが」
囚人【年上】02「ふっ、素直やないなあ〜♪」
SE:爆発音
調教係04「っち、近くまで迫ってきやがったな・・・早く、此処から離れねえと・・・」
囚人【古風】03「ベルンシュタイン、相手側とは一体どんな奴らなんだ?」
調教係05「知らねえ、さっきから一切全貌が掴めねえ・・・、此処はセキュリティーが厳重な鉄壁の要塞と言われるほどの場所だぜ?・・入り込めるとしたら、中からの手引きがないと・・・」
SE:爆発音
調教係06「っち、お喋りしている余裕はねえ。ひとまず、お前ら全員地下水道通って逃げんぞ。そこからしか、出れねえ」
囚人【古風】04「分かった」
SE:立ち上がる
囚人【年上】03「あ・・・、ちょい待て・・・アイツ・・・リィオは?」
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SE:喧噪
SE:走る音
少年01「お、おい!一体何処に連れてくんだよ!」
科学者01「こっち、こっちです!まだ、あの部屋にあの方が・・・」
SE:立ち止まる
少年02「っ、アイツが!?」
科学者02「ええ・・・連絡をしたのですが、反応がなく・・・」
少年03「っ、くそ!!」
SE:走り出す
科学者03「・・・・、終わるか・・・この世界"も・・・・うふふふ」
【少し、雰囲気が変わる】
SE:爆発音
SE:がれきが崩れる
-------------------------------------------------------------------
SE:爆発音
看守長01「、何?襲撃相手が特定出来ない?目的も?・・・ちょっと、もう一回・・・」
SE:ノイズ音
看守長02「・・・くそ、SE:電話を置く
(政府にも連絡がつかないし、相手勢力も目的も把握できない・・・、)一体何が・・・」
SE:ドアが開く
弟01「・・・兄さん」
看守長03「・・・ああ、襲撃してきた相手の特定は出来たかい?一体、誰が・・・・SE:銃を構える・・・・どういう、ことだ」
ME:怪しげな雰囲気
弟02「・・・なんてことは、ないですよ。此処は、孤立無援の孤島、鉄壁の要塞と称される場所・・『誰かの』協力がないと、入ることも出ることも出来ない」
看守長04「・・・まさか、・・・・お前が」
弟03「ええ・・・ボクが・・・奴らを手引きしました。お互いの、利害が一致したので」
看守長05「・・・・相手は、誰なんだ・・・」
弟04「・・・政府ですよ、兄さん。貴方を、利用し続けた政府が・・・ついに、貴方自身の『力』に脅威を感じ、抹消することを決定したんです。・・・秘密裏にね」
看守長06「そ・・・んな・・・」
弟05「『政府』に利用され、その身を投げ打ってきたのは兄さんなのに・・・最後まで利用されて、裏切られるなんて・・・可哀想な兄さん・・・」
SE:崩れ落ちる
SE:近づく
弟06「・・・でも、大丈夫・・・・ボクは、・・・兄さんの側にいるよ・・・。ボクは・・・兄さんを裏切らない、だから・・・・」
ME:消音
SE:ドアを勢いよく開ける
少年04「シオ!!」
看守長07「リィオ?なんでここに・・・!逃げたはずじゃ・・・」
SE:駆け寄る
少年05「此処にいるって聞いて・・・それで・・・・」
看守長08「っ、・・・バカだなあ・・・」
SE:銃に装弾する
ME:危険な雰囲気
弟07「・・・・なんで・・・・・、なんでだよ・・・お前は・・・なんで・・・・ボクが・・・、ずっと大事にしてきた場所を・・・・ボクの兄さんを・・・」
看守長09「・・・ルティ」
弟08「なんで、奪うんだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
SE:銃を撃つ
SE:引火して、部屋が燃える
少年06「っ、あ・・・・」
看守長10「リィオ!大丈夫か、」
少年07「だ、いじょうぶ・・・ちょっと、腕かすっただけだし・・・」
看守長11「・・・そうか、SE:立ち上がる・・・ルティ、撃つなら僕だけにしろ。・・・コイツは、関係ない」
弟09「っ、ははっは・・・何それ。・・・もしかして、撃たれるだけで自分はすぐ治るからって思ってる?ふふ・・・残念だったね、いくら兄さんが不老不死でも・・・コレを直に喰らったらひとたまりもないと思うよ?」
看守長12「・・・それは」
SE:光る音【キラン】
弟10「政府が秘密裏に開発を進めていた、対生物兵器用の武器通称『銀の弾丸【シルバー・ブラッド】』ふふ・・・皮肉なもんだよ。兄さんが研究してきた『不死』への研究が、逆作用させて・・・この武器が完成したんだ・・・、身体に細胞を壊死させる毒が回り、・・やがて、全身が動かなくなる・・・・良かったね、兄さんこれで、・・・兄さんはもう孤独じゃなくなるだ・・・コイツで・・・兄さんは、『死ぬ』ことが出来るよ」
SE:装弾する
看守長13「・・・(そうか、・・・これで・・・僕は・・・)・・死ぬことが・・・出来るのか・・・・(なら、いっそのこと・・・)」
少年08「さ、せるか!!」
SE:押す
弟11「!?」
SE:銃声
少年09「っ、ああああああああ!!?」
SE:凍っていく音
看守長14「な!?なんで、・・・こんな!!」
少年10「っ、、・・・き、れ!」
看守長15「な、!?」
少年11「こ、の・・・腕・・・根本から・・・は、やく!!」
看守長16「っ、くそ!!」
SE:抜刀して、腕を切り落とす
少年12「あああああああああああああ!!!?」
SE:血が滴り落ちる
看守長17「っ、すぐ・・・止血しないと・・・」
SE:シャツを破る
SE:結ぶ
少年13「っ、はあはあはあ・・・【苦しげに息切れ】」
看守長18「なんで・・・、あんなことを・・・!」
少年14「・・・お前が・・・、死ぬって・・・思ったら・・・なんか・・・身体が勝手に・・・へへ、」
看守長19「っ、無茶して・・・」
ME:消音
SE:装弾する
弟12「・・・あーあ、お前に当たっちゃったら意味ないんだよ・・・。弾は、一発しかなかったし・・・あーあ・・・本当、お前・・・邪魔だよなあ・・。兄さんは、もう殺せないし・・・・・代わりに、お前、死ねよ」
SE:銃を構える
少年15「!」
SE:銃を撃つ
弟13「あ・・・・、な、・・・んで・・・ごふ【血を吐く】」
SE:血が滴り落ちる
看守長20「・・・・、すまない・・・ルティ」
SE:倒れる
SE:火の勢いが増す
看守長21「・・・此処の場所も危ないな、よし・・・移動しよう。・・・立てるかい?」
少年16「っ、ああ・・・」
SE:立ち上がる
弟14「・・・・・、」
少年17「・・・・あいつは・・・」
看守長22「・・・・連れて行けない。・・・アイツは・・・もう・・・」
SE:がれきが崩れてくる
看守長23「・・・・此処はもう危ない・・行くぞ、」
少年18「・・・ああ、」
SE:駆けだす
SE:燃え盛る炎
弟15「・・・・兄さん・・・・・、ボクは、あなたのことを・・・この世界のなによりも・・・・・・」
SE:がれきに埋もれる
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SE:火の海
SE:歩く音
看守長24「っ、・・・大丈夫か・・・?もうすぐだ・・・もうすぐで地下水路に・・・」
少年19「う・・・、ああ・・・」
SE:爆発音
少年20「・・・(まだ、・・・続いてる)・・・なあ、シオ・・・さっきの・・・お前の弟じゃ、ねえのか・・・?助けなくて良かったのか・・・」
看守長25「・・・あの子とは、血は繋がっていない・・・実の兄弟じゃないんだ・・・」
少年21「・・・そうなのか、・・・でも」
看守長26「でも、あの子・・・ルティは、僕の・・・弟だ。例え、血が繋がってなくてもね・・・正真正銘の・・・・。・・・だからこそ、・・・もう、僕自身から解放させてあげたい・・・・これは、もう僕のエゴでしかないんだけどね・・・」
少年22「・・・シオ」
看守長27「、それにしても、・・・君も大変な怪我をしてるのに・・・よく人の心配なんて出来るね・・・・本当に、お人よしっていうか、なんていうか・・・」
少年23「んな、!!そ、そんなの当り前だろ、ひ、人として!」
看守長28「・・・・ほら、そこがね・・・。本当に、変わらない・・・ふふ」
少年24「なんだ・・・・って、・・・あれ?・・・『変わらない』って、やっぱオレとお前って・・・」
看守長29「・・会ってるんだよ・・・、昔に、ね・・・って、僕もさっき思い出したんだけど」
SE:爆破音
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ME:穏やかな雰囲気
看守長30「君と僕は、とある施設で出会った・・・。君にとっては、『孤児院』っていうのかな・・・その施設が、政府の生体実験のサンプルに利用されるって聞いて、それで・・・」
少年25「んな!?そ、そんな話聞いたことなかったぞ!?」
看守長31「・・・はあ、ちゃんと最後まで聞きなよ。・・・それで、僕はその施設に足を運んだんだ・・・気まぐれにね」
【回想】
SE:歩く音
研究員【男】01「ここの、部屋で全ての視察は完了です、」
看守長32「・・・ふーん、・・・あ、あれは?」
SE:子供の遊んでいる声
研究員【男】02「・・ああ、此処の子供達でしょう。・・いずれ、サンプルに使う予定です」
看守長33「へえ・・・、ああ、君、もう下がっていいよ」
研究員【男】03「失礼します」
SE:近づく足音
看守長34「こーんにちは♪ぼく、一人かい?」
少年(幼)01「ふえ!?お、お兄ちゃん・・・誰?」
看守長35「ふふー、さあ、誰だろうねえ?怖い、悪魔さんかもねえ〜?ふふふ」
少年(幼)02「んー?でも、お兄ちゃんは・・・悪魔さんみたいに、怖くないよ?」
看守長36「・・・そう、かな・・・」
少年(幼)03「うん!!お兄ちゃんは・・・そうだなあ・・・、」
SE:地面に何かをかく
少年(幼)04「これ!天使さん!!」
看守長37「・・・っ、・・・あはは・・・ぼく、絵下手だねえ・・・それ、変な生き物みたいだよ」
少年(幼)05「なんだとー!!」
研究員【男】04「ウィロー殿、ウィロー殿、何処に・・・行かれたのだろうか・・」
【遠くから、呼びかけるように】
看守長38「・・・僕は、もう・・・行かなきゃ・・・。じゃあね、」
少年(幼)06「え?・・・もう、行っちゃうの?」
看守長39「・・・うん、・・・さよなら・・・」
少年(幼)07「じゃあ、・・・明日も、また来る?」
看守長40「・・・明日は・・・」
少年(幼)08「んじゃあ、明後日は!?」
看守長41「・・・・・もう、多分来ないよ・・・此処には・・・」
少年(幼)09「え・・・・」
看守長42「・・・ごめんね・・・、けど・・・その代り・・・此処は、そのままにしといてあげる・・・君みたいな、子がいるからね。・・・だから、・・・もう、僕の事は・・・忘れていいよ・・じゃ、僕は・・・」
SE:手をつかむ
看守長43「え・・・」
少年(幼)10「・・指切りげんまん、嘘ついたら針千本のーます!指切った!はい!これで、また、会える"よ!お兄ちゃん」
【印象的に】
ME:消音
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SE:歩く
看守長44「・・・どう?思い出した?」
少年26「・・・・全然・・・・。そもそも、ガキの頃のことなんか思い出せねえし、」
看守長45「僕にとっては、最近のことだけどね」
少年27「・・・お前と比べんなっつーの」
看守長46「ふふ・・・でも、また・・・会えて・・・・・っ!」
少年28「ん?どうした?」
看守長47「地下水路への、扉が・・・瓦礫で・・・・っくそ!」
少年29「他の出口は!?」
看守長48「出口は、此処しかないっていったろ・・・くそ!」
少年30「っ、どうすれば・・・・」
SE:爆発音
SE:瓦礫が崩れてくる
少年31・看守長49「!!」
少年31・看守長49「!!」
SE:瓦礫に埋もれる
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SE:通信音
兵隊【男】01「目標、生体反応を失いました。」
女01「・・・そう、ご苦労様。引き続き、施設内に残ったモノの処分をお願い」
兵隊【男】02「了解しました。」
SE:通信を切る
SE:草を踏む音
ME:静かな雰囲気
女02「・・あら、意外に早かったのね・・・カンナ君」
科学者04「ええ、只今戻りました。奴の残した、研究内容とサンプルを・・・」
SE:紙束を差し出す
女03「ありがとう、・・・・ところで、もうソレ。外した方が良いんじゃない?いつも、見慣れてないから・・・若干、違和感あるわ」
科学者05「・・・そうですか?・・・では、」
SE:マスクを脱ぐような
青年01「・・・こちらで、よろしいでしょうか」
女04「ええ、・・・それにしても・・・SE:紙をめくる なるほど・・・、これは・・・大した研究ね・・・これ、一つで世界の一つや二つ・・・支配することが出来ると言っても、過言ではないわね。ふーん・・・」
SE:ライターで火を点ける
青年02「・・・・よろしいんで?」
女05「ふふふ、此処には今貴方と私しかいないわ。・・・貴方が、口を割らなければ大丈夫よ・・・上には、研究内容は、全て焼失してしまった、そう報告するわ。あの兵器も、もう残ってないしね・・・貴方、口裏合わせられる?」
青年03「・・・心得ました」
女06「・・・人間【ヒト】は、人の領域から・・・脱したらいけないのよ・・・。大きすぎる力は・・・『破壊』しかもたらさないわ・・・ねえ、リィオ君」
【遠くに呼びかけるように】
SE:地面に紙を落とす
青年04「・・・一つ、お聞きしてもよろしいですか?」
女07「ん?なにかしら」
青年05「・・・何故・・・、リィオ=ハシャを?餌に使うのならば、もっと他の・・・」
女08「確かに・・・、油断を誘うために以前シオ・プッシイ=ウィローと接触したことのあるリィオ=ハシャを使い、けしかけたのはまどろっこしかったかもしれないわね。・・・もっと、他に効率が良いやり方があったかもしれないもの」
青年06「なら・・・」
女09「でも・・・・私は・・・どこかで、『奇跡』っていうのを・・・信じてたのかもしれないわ・・・・結局、上からの指示が出て全部、おじゃんにしちゃったけど、ね・・・」
青年07「ユーヤさん、」
女10「結局、奇跡なんてものは・・・空想の産物だったってことよ SE:煙草を点ける ふう〜、・・・でも、えらく今回は目標物に執着するじゃない・・・カンナ君、彼となんかあった?」
青年08「・・・・いいえ、なにも。・・・オレは、カンナ・ホーベル。ただの機関の歯車の一つです。・・一個体の感情や感覚は、持ち合わせていません」
女11「・・・・そう、」
SE:崩れていく要塞
女12「・・・・どうか、せめて・・・安らかに・・・」
SE:去る【ヒールと革靴】
SE:燃え盛る炎
ME:消音
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