読めないバレリーナ




広い部屋には臨也と私しかいない。
私が来た時点で波江さんはいなかった。
臨也に聞くと今日は午前中で帰ったと言う。

「ふたりだね」

私が呟くとそれを拾った臨也は
椅子から立ち上がって
私の前に立つ。

「へぇ…くるみにもそういう気持ちあるんだー。以外だなぁ」

不思議そうにまた興味深そうな
目で私を見下ろすとニヤリと笑っうと
私の唇にキスをした。

「…ん…いざ、や」

私のことなんてただの人間でしかないと
思っている臨也はそうやって皮肉を交えながら
キスを毎日する。

「くるみは馬鹿だ。」
「え?」

何で?とか聞いたことがないから
キスをし続ける意味は分からない。

「普通、こんなにキスしてんだからさ
勘づきなよ。ふたりっきりが一番危ないってさ」

でもそんな臨也が私は
好きなんだと思う。
だから毎日キスをされても
利用されていてもここに来ては
また臨也の唇と目を奪えると
思ってしまうから。
だから、

「臨也ならいいよ。私」
「ふぅん。くるみも言うようになったね」

身体もあげたいと思う。



読めないバレリーナ
(好きなのか嫌いなのか)
(確かめるだけに今日も踊る)



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