「くるみっち俺の顔に何かついてるッスか?」


私がはあ〜とため息をついていたら隣から声がした。
独特の私の呼び方と口癖、それが誰のものかというのに
頭は爆発しそうなくらい私の心臓を刺激する。


「へ?」


間抜けな返事で返すと隣の黄瀬くんは不思議そうに
頭を傾ける。


「だってくるみっちずっと俺の顔見てるッスよ?」


その言葉に私は顔が熱くなっていくのがわかった。
だって、それはつまり私がずっと黄瀬くんの顔を
見つめていたということになるからだ。
それはとてつもなく状況が悪い。
私は視線を反らしながら濁した。


「えっと、それは違くて…なんていうか…ね?」

「何スかそれ〜めちゃくちゃ気になるんッスけど」


黄瀬くんはノートを書いていた手を止める。
そしてじっと私を見つめる。


「…住む世界が違うって思っただけ。」


その視線に耐えきれず私が口を開いて横を見ると、黄瀬くんはポカーンとしていた。
そして優しく私に向かって微笑んだ。


「俺はここにいるッスよ。住む世界が違うなんてさびしいこと言わないでほしいッス。」


黄瀬くんが言った言葉を聞いて私は少し心が落ち着いた。
なんだか分からないけど、少しだけ黄瀬くんに近づくことができたと思う。
そして黄瀬くんはさっき言い終わったと同時に先生にうるさいと怒られてしまった。
私が手で謝ると黄瀬くんはまた笑ってピースをした。




ああ、私黄瀬くんのこと―
ノートで顔を隠して赤くなっていく顔を必死に隠した。



好きなのかもしれない
(今想ってる以上に)
(あなたのことが)
(きみのことが)



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