古典の授業中いつも目に入るのは真剣にノートをとってる彼女の姿で、全く授業なんてところではない。
すべての授業俺は彼女にしか目がいかなくてノートは真っ白だ。
でもそれがいい口実になると俺はついこの間思い立った。


「ねえくるみッチ!ノート貸してくれないッスか?」


授業が終わった後ノートを借りることができるのだ。


「また寝てたの?しかたないなあ…はい」


そう言って彼女はきれいに"古典"と書いたノートを俺に渡してくれる。
そして彼女が二コリと微笑むと俺は身体が熱くなり視線を逸らした。


「ありがとうッス」

「別にいいよ。次の授業までには返してね」

「了解ッス!」


彼女は俺の返答を聞くとクルっと後ろを向き仲のいいグループの輪の中に入っていった。


そう、俺は片思いをしているのだ。
彼女を見るたび胸は痛くなる、話すとと身体が熱くなる、
それは恋のしるしだって流石の俺でもわかってる。
でもその先は決して踏み出せない。
モデルで女の子にはモテるしスポーツも人並みにできる、完璧にコピーだってできる、
そしてキセキの世代とよばれるくらいの俺でも彼女の前では何にもなくなってしまう。
きっとみんなに言ったら笑われるだろう…自分自身でも笑えてくるから。


「ほんと、情けないッスよね」


自分の席に着いてポロっとつぶやいた弱音は休み時間といううるさい箱の中、ほかの人の耳には入らずに消えてしまった。





ふがいないな
(いつきみはこんな情けない)
(俺に気づいてくれるんッスか?)




← →


「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -