肌寒くなってあたしの吐く息は白く消えていく。
「寒いッスね」
そう隣で笑う涼太の手は温かい。
「…うん。風邪ひいちゃいそう」
私が鼻を吸いながら言うと
繋いでた手が力強くなった。
「今すぐにでもくるみっちのこと抱きしめたいんッスけど」
マフラーにかかる声は何とも聞き取りにくい。
でも、涼太の声ははっきりと聞こえてしまうのは
なぜなのだろう。
「人がいるからダメだよーん」
「分かってるッスけどね。」
涼太の温もりは温かくてそれは寄り添いたいくらい
あたしの居場所さえも作ってくれる。
そんな温もりに酔いしれてしまう。
「…ねえ、涼太。その代わり、もっと強く繋いで?」
「ほんと、可愛いッスねくるみっちは。」
酔いしれる
(…じゃあ俺ん家行こうッス!)
(今日は特別ね)
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