「別れてほしいッス」
いつも通りの帰り道。
いきなり言われた言葉に私は頭が回らない。
「…え?」
そう返すと涼太は気まずそうに視線を外す。
あ…そっか私捨てられたんだ
「他に好きな人でもできた?」
うつむく涼太にそう投げかけると小さく首を振る
でも私は"じゃあなんで?"とは聞けなかった。
薄々感づいてた。涼太が私を捨てるって。
なんでかは分かんないけど。
「…愛してたッスよ。」
長い沈黙を涼太が切った。
その"愛してた"は最初で最後のもので
それだけ、その一言を残して
涼太は人ごみの中に消えた。
0からはじめよう
(大丈夫、またきっと)
(あなたに愛される)
(そう儚い願いをしながら)
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