「ねえ、聞いてるッスか?」

隣でボーっと俺が手に持っている雑誌を見つめてるくるみに問いかける
その声に彼女は我に返ったかのように俺のほうを向いた


「…え?あ、なんだっけ?」

彼女はたまに遠くにいる時がある
近くにいるのに手が届かない
それは二人で話している時だけじゃなくて
抱き合ってる時も彼女はひとりどこかへ行ってしまう

「だからバッシュッスよ!選んでくれるって言ったじゃないッスか〜」

そう笑って言うと彼女も笑う
でもにこやかな笑顔ではない、少し悲しそうに笑う
それを見るたびに抱きしめたくなって
壊したくなる気持ちが抑えれなくなる

「あ!そうだったねごめ…っわ…ん」

だからいきなり唇をふさいでみた
するとちょっと驚いたような、きょとんとした顔をしてから
今にも泣きそうな顔をして目を閉じる
それを確認してから俺もそっと目を閉じた



嫌になっちゃうね…
(くちづけを交わしたあと)
(きみはいつもそうつぶやく)
(その意味にたどり着けない)




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