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▼ 一人ぼっちの放送局/ステラ(BRS〜The Game〜)

時刻は、深夜零時丁度。

大量の器材に囲まれながら、彼女はいつもの調子でマイクに向かって声を発する。


「初めての方も、そうでない方もこんばんは。パーソナリティ兼皆様のお相手をさせていただきますのは、今夜もルネです。丁度日付を超えまして、今日は西暦2051年2月10日。まだまだ冷え込む日が多いですね………、」


数十年前までは、何人もの人がやっていたであろう作業をたった一人だけでこなさねばならないため、ラジオを放送中の彼女はいつでも忙しいのだ。

周囲に置いた機器の電源を入れ直したり、ボリュームの調節をしたり…と、やることは尽きない。


しかしながら、会話を途切れさせるのはタブーのため、右手と左手を別々に動かしながらも器用に話題を変え、話し続ける。


「最近の私のご飯は、ほとんど乾パンかビスケット…付け合わせはコーヒーや紅茶が主ですね。皆さんはどうでしょうか?缶詰類は、今や貴重品ですし滅多に手に入りませんから、もし入手出来た時には、少しずつ大切に食べましょうね!!」


状況が状況なだけに、外に出掛けるのも至難の業ですけれど…。

ちょっぴりジョークを入り混ぜた会話を展開しながら、彼女の手は隣にある巨大な棚の中から、まっ白なCDを取り出してプレイヤーにセットした。


「それでは、本日の一曲目。2032年に世界中で爆発的にヒットした謎多き歌姫『シング・ラブ』の代表曲です。」


言い終わってすぐにプレイヤーのスイッチを押せば、それはまるで生きているかのように丸い形のCDを飲み込み、曲を奏で出す。

…これで、しばらくは何もする事がない。
ほっと息を吐き、湯気を立てる紅茶に手を伸ばしながら、大きくてふかふかとした座り心地のいい椅子に全体重を沈めた。


自力でこの放送局を奪還してから、早3カ月───。

それだけの時間が経過しているというのに、今の今まで誰一人として彼女の元を尋ねてくる生存者はいなかった。


ふと窓の方を見やり、下ろしたままだったブラインドをほんの少し押し下げてみると、いつものように荒廃しきった都市の姿がそこにある。

暗がりの中を行き交うのは人間ではなく、エイリアン達が地球の侵略のために放った大小様々なロボット…通称『アーマメント』と呼ばれる機械兵だけだ。


こちらはブラインドを下ろしているだけではなく、特殊なコーティングを窓に施しているためか、アーマメント達はこちらに気が付かずに、ひたすら獲物を求めて闇夜の中を駆け抜けていくばかりである。

この放送局の周辺をうろついているのは、今まで見ている限りそんなに強くないアーマメントだから、もしもの時は自分一人だけでも何とかなるが、親玉のエイリアンなんかに来られたらたまったものじゃない。


きっと、出会った瞬間に呆気なく消し飛ばされるに決まっている…!

本当にエイリアンと遭遇した場合の事を考え、ルネは身震いした。


同時に、棚に立て掛けたままだったハンドガンや、果物を剥くときに使うサイズ程度の大きさの黒いナイフを眺めて、溜息が漏れ出す。

自分のシンボルカラーとも言える水色のラインが入ったこれらは、間違いなく彼女のためだけに作られた物である事は明確だけれど。
よくよく考えてみれば、こんな申し訳程度の貧弱な装備で、よくぞ今まで生き残って来られたものだ、と思う。


自分の姉達───とは言っても、半数以上は会ったことがない。

血の繋がりはあっても、実際に話をした事があるわけでもなく、家族のように一緒に暮らしたこともないから、他人と言っても差し支えがないくらいなのだが、彼女達の身体能力のデータと使用する武器についての資料を見る限り、片腕にそのまま装着して使うタイプの大型の銃や、身の丈の半分ほどの大きさもあろうかというブレード等々…。

ルネが持たされた護身用にもならない武器よりか、火力も性能も高い物ばかりだった。


また、世代によっても能力に細々とした差は認める事が出来るものの、初期の型から最新の型に至るまで、自分よりかはよっぽどアーマメントやエイリアンとの戦闘に適しているのが分かる。

顔を合わせた事も無い姉達は、どんなにか強かったろう?

きっと、この界隈をうろついているのアーマメントの群れも、綺麗さっぱり破壊できる…いや。
それこそ、たった一人だって何とか出来るくらいに凄く強い………はずなのに。


…それなのに、どの世代の姉とも未だ会えていないのだ。

最悪、自分の姉達のうち誰一人として生き残っていないのならば、人間だって、一人もいないのかもしれない。


もしもそうなら、私は本当の意味で一人ぼっちだ。

一人は嫌だ。
一人は、寂しい…。


いつの間にか、流していた曲が止まっていた事に気が付き、彼女はプレイヤーに手を伸ばして再生ボタンを押した。

そうして、しばらく迷った後。
彼女はマイクの電源を切り、プレイヤーの端っこの方にちょこんと着いた摘まみをひねって、うんとボリュームを上げた。


自分の声を外界に届けるという行為を完全に放棄し、ルネはまた元のようにすっぽりと椅子に納まり、そのまま小さく体を縮こまらせる。

膝を抱えて、流れてくるメロディーに自分の声を重ねて、その外に聞こえてくる音には知らないふりを決め込んだ。


今はそうして少しでも気分を紛らわせたかったし、自分や姉達…総じて言えば、彼女達グレイシリーズの大元。

言い換えれば、母たる存在のシング・ラブの声をぼんやりと聞いていたかったのだ。


***


今から19年程前。
エイリアン達は、地球の侵略を開始した。
彼等は『総督』という者の指揮の下、異星から大量の機械兵器を率いて、突如地球に降り立った。

彼等は人間と似た姿を持つ存在でありながらも、“他人の記憶やデータ化された情報を喰らって生きる”という非常に奇妙な体質を持っているだけでなく、エイリアン達は全員“喰らった他者の能力や記憶を全て自分の物にする”という『ネブレイド』と呼ばれる能力を備えているそうである。


そんな恐ろしい能力を持っているエイリアンに対抗するために作成されたのが、当時かなりの人気を誇っていた歌姫、シング・ラブをオリジナル体としたクローン兵器『グレイシリーズ』である。

ルネも姉達もこれにあたり、その道の権威であるギブソン博士によって製作された。


ただ、グレイシリーズは生まれながらにして脳に障害があり、最終的には全ての記憶野が運動野に変質してしまうという過酷な運命を背負っている。

しかしながら、最後の最後。
一番末のルネだけは、何とかそれを免れた状態で作成された。

───厳密に言えば彼女は、運動能力を大幅に削り、それをカバーするために記憶能力の方を強化されたクローンとして試験的に製作された個体、という事になるのだが。


そのおかげで、彼女は異様なまでに物覚えが良かったし、生前のギブソン博士からは『歩く百科事典』という異名をもらっている。 
もっとも、情報をどんどん脳内に溜め込むだけであって、それらを忘れる事は出来なかったけれど。

反対に、運動能力は全くと言っていいほど無い。


それだから、彼女はこんな子どもの玩具のような小型の武器しか扱えないのだ。

ルネの一つ上の姉に、『ステラ』と名付けられ、最終兵器としてカプセルの中で眠る姉がいるはずだが…実を言えば彼女とも会えていないし、そもそも目を覚ましたかどうかすら分からない。


そんなステラとは対照的に、ルネの方はというと。
『いつか来るであろう平和な世を見越して製作された最新型のグレイ』なのだと言われているから驚きである。

自分が一人きりでカプセルから目覚めた直後、その説明書を見つけた際には、我ながら失笑してしまった。


…そう感じたのも、彼女が目覚めた時、何処を見回しても街は今のように荒廃しきっており、自分以外のグレイも。
もちろん、人間など何処にもいなかった。

その時点で、彼女は今の状況が平和からどれだけ遠い物なのかを誰に教えられるともなく静かに悟ったのである。


孤独に耐えかねて街々を巡り、自分の姉や人を探して彷徨う事もあったが、いくら探しても生存者の元へ辿り着けた試しは無く、少しばかりの食料や水が見付かったり、アーマメントに遭遇してやむを得ず戦わなければならなくなったりと、余計に虚しさが募っていくばかりだった。


もしも、世の中が平和だったなら。

エイリアンもアーマメントも、そんな物が存在した事自体、綺麗さっぱり消し去られた世界で目を覚ましていたなら、ルネの持ち得る『人と楽しく会話する能力』やら『機械いじりに特化している能力』は間違いなく重宝されるに決まっているだろう。


実際、こんな悪夢みたいな。
ダークなSF映画さながらに、希望の見えない廃れた世界で役立つのは、高い身体能力やエイリアン達とも渡り合っていける戦闘能力なのだ。

姉達と比べれば、彼女に与えられた力は自分の身をたまに助けこそすれ、いざ戦闘となれば無力である。
そこから考えると、自分に与えられた武器が火力も心もとない上に、子どもの玩具のような見た目なのも頷ける。


わずかばかりの腕力で大型の銃を持つのは難儀であるし、自分の身の丈ほどもある剣を使うとなった時には、上手く扱えなくて小さなアーマメントにすら勝てないかもしれない。

沸き上がってくるのは暗い想像ばかりで、嫌気が差す。
これらには少なからず自嘲の念も入っているのだが、可能性としては無くも無い。


目に見えるリスクも、そうでないリスクも避けて生きていくためには、常に最悪の結果を予測し、気を張り詰めて生活する事が重要なのだ。

今までも、これからも。
この繰り返しは、自分が気を抜いてエイリアンに見つかり、おやつ代わりにネブレイドされてしまうまでずっと続くのだろう。


そんなの、嫌だ。
考えただけでも気が狂いそうだ。

…いっその事、そうなってしまう方がどんなに楽か。


どんなに願ったところでそうはなってくれない、あまりに優秀な脳を用いて、彼女は考え続ける。

これだから、一人は嫌だ。
こんなに広い場所に、ぽつんと一人だけでいるのは寂しい。


どんなに美味しい缶詰を一人で食べたところで、どんなに面白い本を読んだって、どんなに感動的な映画を観たって……………。

一人だけじゃ、どんな気持ちも半減してしまう。


例えば『これ、美味しいね』や『面白いね』と、自分が発した言葉に対して、共感とか、肯定とか。
…とにかく、何だって構わないから、他者からの反応が欲しい。

どうして、こんな人間くさい考えに至ってしまうのかは相変わらず分からないけれど、今自分が欲している物は『話し相手』だという事は確実である。


「誰か…誰か、私に会いに来て………。」


薄く開いた口から漏れ出した彼女の独り言は、当然ながら誰にも聞かれず、虚しく部屋中に反響した。

曲は未だに流れたままである。

そういえば、少し前に。
あまりにも曲を繰り返して流しすぎたせいか、CDを一枚駄目にしてしまった事があったっけな…。


そうなるのはちょっと勘弁して欲しい。
同じCDを探すために、命がけで外に出るだなんて…。
あんなに疲れる作業はもうごめんだ。

ふと、部屋の隅に配置してある柱時計を見てみると、短針は今や完全に1を指し示し、長針がそれを追いかけるようにして12を過ぎんとしている。


今日は、ろくに仕事をしなかったような気がするものの、そろそろ放送終了の時刻だ。

のろのろと立ち上がり、再びマイクのスイッチを入れて、誰にも聞かれていないかもしれない別れの挨拶をしようとした途端。


タッタッタッ…と。
彼女の耳が、聞き慣れない足音を拾う。

変にやかましい音を立てて移動しているわけではないのを聞く限り、どうやらアーマメントであるわけではなさそうだ。


…今までにも数回程度これと似たような事があって、エイリアンの襲撃かと臨時戦闘態勢に入ったものの、全て自分の思い込みであり、本当は何でも無かった、という苦い経験が脳裏を過ぎる。

きっと、いつも神経を尖らせてばかりいるから、こんなふうに幻聴が聞こえるのか。
それとも、長い間一人きりで居たせいで、自分の頭が本格的におかしくなりかけているのか…。


もう、疲れた。
考えても考えても、彼女が見つけ出した答えに反応してくれる者はいない。

今も、これから先も。きっとそうなのだろう。

疲れもあるせいか、酷く悲観的なものの考え方をして、ルネはぼんやりと虚空を眺めた。


足音が近くなっている気がするけれど、それは無視だ。
どうせ幻聴なのだから、構うことはない。


「………。」


思考を完全に止め、しばらく無心で佇んだ後。

何を思ったのか自分でも理解しきれぬまま、彼女は両手を胸の前で組む。
まるで祈るように静かに目を閉じ、浅く息を吸い込んで歌を歌い出した。


細く弱々しい声音が紡ぎ出すのは、やはりあの曲だ。
CDに残ったシング・ラブの声と自分の声はそれなりに似ているが、いざ歌うとなると、何だか全然違って聞こえる。

息の使い方の問題なのだろうか?

もし、自分がもっと上手く歌えたら。
そうしたら、自信を持って気持ち良くこの曲を歌えるようになるのに。


そうしている間に、足音はこの部屋の扉の前で止まる。

幻聴にしては、やけにリアルな感じがするけれど…それを特に気にする事も無く、彼女は歌をやめなかった。


何度も同じ所を繰り返していくうち、自信がついてきたせいか自然と声が大きくなり、出来もしないようなアドリブを入れて好き勝手に歌い出す。

ここまで思い切り歌えてしまうのは彼女がいつでも“絶対的一人”であるという現象に置かれているからだろう。


気を紛らわせる為に歌い出したのが、いつの間にやらすっかり夢中になっていたためか。
曲の適当な切れ目の辺りで、ぱちぱちぱち…と、自分の物でない拍手が飛んでくるまで、部屋の中に見知らぬ者が進入していたことに気が付かなかった。

一体、いつの間に入ってきたのやら。


ルネは、ちょうど向かい側の椅子に行儀良く腰掛けて拍手を続ける見知らぬ女の子と視線を合わせ、大分恥ずかしい思いを味わう。

拍手を貰って、弾かれるように音のした方を見た瞬間、その女の子は表情こそ固かったが、期待に満ちた目をこちらに向け、椅子に座っていたのである。


一瞬、どうやら自分は幻聴だけでなく、幻覚まで見えるようになってしまったらしい…と、自嘲気味な笑みが漏れるが、それはすぐさま打ち消された。

女の子は、ゆっくりと立ち上がり。
そうして、彼女はその青い瞳でルネを見据え、ツインテールにした黒髪を揺らしながら、こちらに向かって歩いてきたのである。


女の子は、適度な距離で歩みを止め、唖然として動けずにいるルネに話しかけてきた。


「上手だね。それ、何ていう歌?」


質問されているというのに、いざとなると声が出ない。

独り言は散々言えたのに。
誰かと会話するのは、こんなに緊張する事だったか…。


過去に数回だけ、ギブソン博士と話した時の事を思い出しながら、ルネは咄嗟に目に留まったCDのジャケットを掴み、女の子に差し出た。

彼女は難なくそれを受け取ってくれたが、やはり首を傾げられてしまう。


そりゃあ、当たり前だよね。

頭の中で考えながら、やっとの思いで声を絞り出す。


「し、シング・ラブの曲…私がさっき歌ってたの、シング・ラブの、曲、なの…。」


声は不自然に裏返り、自分の手は冷や汗でべとべとする。

しかしながら、彼女はそれをさして気にした様子もなく、頷いた。


「そうなんだ。私、これ好き………ねえ、もう一回歌って!」


「えぇ…!?それは、ちょっと…あの、まだ聞きたいのなら、CDかけようか?」


予想外の話の流れに乗り切れず、つい脇に逸らそうとすれば、彼女は考え込むようにCDのジャケットを凝視した。


「…………。」


無言で彼女の仕草を見ていると、何だかそれだけで楽しいような気分になってくる。

何よりも、自分以外に生存者はいたのだ、という安心感からか。
最早見事と言うことしか出来ないくらいに沈んでいた自分の心も、多少軽くなった気がする。


この女の子は、どこから来たんだろう?

ふと眺めた先にあった鏡を見て、ルネは、はたりと動きを止めた。


そこには、いつもと何ら変わらぬ自分の顔が映っているのだが、よくよく見てみると、今目の前にいる女の子とそっくりなのである。

背格好も、顔もそっくり。
まるで、自分が二人いるような不思議な感覚。


ああ、もしかして彼女は…。

一つの確信が浮かび、ルネは、目覚めてから初めて『希望』というものを見出す。

先程まで感じていた気怠さと虚しさは、期待へと変貌を遂げた。


『ねえ、』と声をかければ、自分とよく似た顔の女の子が惚けた顔をしてこちらを向いた。

…間違いない。
彼女こそが、自分が探し求めていた人物なのだ。


「………あのね、」


頬を紅潮させ、ドキドキしながら彼女に話しかけると、『なに?』という返事が返ってきた。


「…あなた『ステラ』っていう名前でしょ?グレイの。」


「うん。そうだよ、あなたは…誰?」


そう、その問いかけをずっと待っていた。


「私は……。」


私の、名前は…。


「私は………『ルネ』。あなたと同じ、ギブソン博士に作られたグレイの一人。」


やや震えながらそう告げれば、彼女はとても驚いた顔をしていたが、それはやがて安堵の表情に変わっていった。


「良かった、私やナナの他にも、グレイは残ってたんだ…。」


「───ナナ?」


「そう、ナナ。私の…お姉さん、かな?今は何処に行ったか分からないから、捜してるの。」


しばらく間を開けてから、ステラはいきなりルネの手を握った。

彼女の手は、小さくて温かい。


「…ねえ、ルネも一緒に、ナナを探しに行こうよ!」


「わ、私も…?」


「うん。ナナも、きっと喜ぶよ。」


会いに行こう?

綺麗な青い瞳に見つめられてそう言われれば、断ることは出来ない。


ぎこちなく頷くと、ステラはすぐに歩き出す。
小さな背中を追いかけるために、一人ぼっちだった部屋から急いで持ち出せたのは、おもちゃのようなあの武器と、業務用ビスケットの缶を一つだけ。

まともに使えそうな者なんて何一つ持ち出せそうもなかった。
一度外に出れば、しばらくここには戻ってこられないだろうし、危険な目にもたくさんあうだろう。


…それでも、今は何故か平気な気がした。

きっと、何も無くたって大丈夫。
私はもう、前みたいに一人じゃないんだもの。


ステラに促されるままにバイクの後ろに乗り、遠ざかっていく放送局を眺めがら、ルネはぼんやりとそんな事を思っていた。

雪はいつの間にか止んでいて、地平線から真っ赤な太陽がほんの少し顔を出し、無機質なビルばかりが立ち並ぶ街を暖かな色で包んでいた。


end

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