部屋でシャワーも浴び、聖帝に言いつけ通り日記を書いているとインターホンが鳴った。万が一のためにその日記を机の引き出しの中へ入れて、覗き穴を覗くと映ったのは白。なんだこいつか、と私は扉を開いた。 「…何か用?白竜」 「夜分遅くすまないな、話がある。入れてくれないか」 「別に構わないけど」 どうぞ、と招き入れれば白竜は靴を脱ぎ私の部屋へ入ってきた。私が椅子に座ると白竜は困ったように立ち止まった。 「ベッドに座れば」 「…伊織」 「冗談、私がベッド座るから椅子使いなよ」 まだ使ってないとはいえ女子のベッドには座りたくないだろう。少しからかってみたくなっただけ。私は立ち上がってベッドへ、白竜は椅子へ座った。しかしいつまでたっても話そうとはしない白竜。痺れをきらした私は口を開く。 「で、話って」 「……俺はお前を認める気はなかった」 「なかっ、た?過去形みたいだけど」 「ああ、なかったが…今はチームのキャプテンとしてお前を歓迎するつもりだ」 真っ直ぐ私を見つめる目に嘘は見られなかった。何だか気恥ずかしくて、然り気無く視線を反らしてしまうくらいに真っ直ぐな瞳。 「…ところで、キャプテンじゃなくて白竜としては?」 「あまり歓迎したくない」 「…君は素直で良いね」 私は思わずくつくつと喉を鳴らして笑う。意外だと言わんばかりの白竜。今日だけの付き合いだけどそれくらい見れば分かる。負けず嫌いで、しかも散々女だと馬鹿にしてきたんだから。 「ここでは、誰も助けてくれないと忠告したな」 「うん、されたね」 「俺がお前に勝つまでここを出ていかれる訳にはいかない。…何かあったら俺を頼れ」 「…了解、キャプテン」 |