おかえりなさいませ、 | ナノ
 

 

図書館の雰囲気が、実は私は嫌いでは無い。
実は、ってほどぶっちゃけた話ではないけど、週一で来るくらいには好きで、雰囲気が好きなので、本を借りるだけでなくそこで本を読んだり、行き詰った仕事の気分転換がてら残りの片付けたりをしたりと、家でやれそうなことでもなんとなく図書館が良いと思うことがあるのだ。

「(……あれ?)」
頭一つ分高い背丈と特徴的な髪色を見つける。緑間君、かな。仕事中に話す分には不足は無いけど、だからこそというか仕事とは関係ない場所で話しかけるのは躊躇ってしまう。そうは見えないけど、休みの日にまで仕事のことは思い出したくないと思っているかもしれない。
まあ、いっか。時に彼のためと責任を転嫁させて自分を無理矢理納得させ、見なかった振りをしてUターン。今日中にまとめなきゃいけない資料があるのだ。


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