日々デリ | ナノ


日々デリ


臨也のパソコンを散歩してたら白馬に跨った王子があらわれた




普段、俺は先輩であるサイケと津軽とよく行動している。行動というか、二人がよく俺に絡んでくる。「デリ雄」「デリちゃん」と二人とも思い思いの呼び方で遊んでとねだる。
二人は俺よる先に生まれたある種の先輩だけど、プログラムが旧式だから実際中身は子供のようだ。
でも今日はなんだか二人はいない、大方二人でいちゃいちゃしてるんだろう。
中身が子供なぶん愛情表現が純粋に素直なのだ、そんな二人を俺はうらやましく思う
俺のプログラムの基になった静雄には臨也がいて、津軽にはサイケがいる。
俺の隣は空席だ。
こうして二人が俺から離れてしまえば途端に独りぼっちになる
俺には誰も居ないわけだから無い物ねだりにもほどがあるわけだが。


今日みたいに二人が絡んでこない日は、1人で臨也のパソコンの中を散歩することに決めている。
臨也のパソコンにはあらゆる情報が入ってるから、それを読みあさるのが俺は好きだ。
だから今日もそうして例に漏れず情報をみようと少し奥まったデータまで足を延ばした訳なんだが

「ちょっとそこの白ピンク、ここはどこだか教えろ」

白馬に跨った王子様に道を尋ねられた
これは冗談じゃない、冗談じゃねぇ
マントを羽織って、金色の王冠をつけて白馬に跨ってる
いわゆる王子だ。
王子なんだ
しかもこの王子、よくよく見るとなんとサイケに激似だ。
つまり臨也を基にして作られた俺らと同じデータってことか
しかしこの格好はどうした

「おい、この私が聞いているんだ、しっかり答えないか!」

あまりの視覚的衝撃に王子を見上げてポカンとしてしまっていた
自分がどこにいるかわからないけど、自我ははっきりしているらしい
バグかなんかだろう
しかし、こいつ偉そうだな

「てめぇ…人にもの頼むのにその態度はないだろ、言葉遣いは性格として許してやるが、せめて馬を降りろよ」
「む、私に意見するのか!!」
「わかった一生迷ってな」

聞く気がないなら、答える義理もない
俺は踵をかえして偉そうな王子を置いてけぼりにすることにする

「ま、まて!しかたないな、降りて話してやろう」

どうやらプライドだけは高いらしいが、迷うのは勘弁だったみたいだ
しぶしぶといった様子で馬からおりる
馬をおりる所作は、そこは王子らしくいちいち綺麗だ
そもそも、格好と性格を差し引けばコイツは顔がいい、基が臨也だし。

「で、ここはなんだ?」
「ここは臨也のパソコンの中だ」
「イザヤ?」
「お前のデータの基になった、お前の主人にあたる奴だよ」
「わ、私に主人だと!?ありえない!私がこの世のあるじっいたいっ」

おもわず殴ってしまった
ぐーで
脳天に
王子は痛いらしく、頭を抑えてうずくまってしまった

「おい似非王子、取りあえず臨也は俺のマスターでもあるから、臨也んとこ行くぞ」
「野蛮な白ピンクめ…命令するな」
「デリックだ、白ピンクじゃねぇ」
「デリック…」
「正式な名前は、サイケデリック・ドリーム静雄」
「さい…で…」
「デリックでいい」
「ふんっ野蛮な輩の名前なんてどうでもいいっ」

拗ねてしまった
殴ったのがいけなかったんだろうか…しかし殴らないと俺の気が済まなかったし、仕方ないことだ

「おら、拗ねてねーで行くぞ、見つけたからには俺にも責任あるしな」
「デリックは私の世話係か?」
「何でそうなる、つか顔が近いんだよ!!」

いつの間にか近づいてきたのか、俺の顔をのぞき込んでくる
やっぱり臨也ににてるが瞳は金色にキラキラだった
俺だって静雄が基になってるからなんだかんだいって臨也の顔には弱い(あくまで顔にだ)
長いまつげにサラサラの髪の毛、キラキラの瞳についつい見入ってしまう

「〜っちけぇってば」
「…デリックはかわいらしい顔立ちをしてるな」
「…はぁ!?」
「艶のある金髪だし、鼻筋も通ってる、ピンクの瞳もきれいだ」
「…」
「うむ、好みだな、性格が難ありだが」
「……っ」

顔が熱い、多分俺の顔はゆでたこみたいになってるだろう
こんなアホ王子に可愛いとかいわれても嬉しくなんてないって思いたいのに、それに反して心臓は早鐘のようだ
王子はそんな俺を知ってか知らぬか、にこりと笑い一歩さがり、恭しく礼をする

「私の名前は日々也だ、よろしく頼むぞ、デリック」

といって俺の手をとり手の項にキスを落とした




王子様との遭遇




「なっなにしやがるうぅぅっ!!」
バキイィィィ
「いたいっ」






日々也が出てきてテンションMAXで書き上げてしまったので
まとまりがないです
日々デリは日々也がプライド高いバカ殿みたいだったらいいな

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