不安 | ナノ



細かいこと気にしちゃだめ所詮は妄想
二人は臨也のボカロ的なんで、パソコンの中に生息
パソコンの電源切ったら夜みたいな


◇◇◇

サイケは雲みたいだね


臨也くんが電源を切るからってお互いのフォルダに戻る際に津軽に言われた

真っ白で、ふわふわしてて、温かい気持ちになるね

でも、ふとした拍子にどこか遠くに行ってしまいそうだね

と、くすくす笑ってさらさらの金髪を揺らして
そうして俺の頭を撫でで自分のフォルダに戻っていった
俺はびっくりして、しばらくそのまま動けなくて、臨也くんが電源切るよって言うまでそのままだった

フォルダにもどっても津軽の笑顔が忘れられなくて、薄暗いなかでも目が冴えた
さっきの津軽の笑顔はどこか寂しそうで泣きそうだった

津軽は風みたいだ

さらさらと綺麗で、どこか飄々としてて、でも優しく包んでくれる

でも遠いところに行ってしまう

俺が遠くに行くって言って泣きそうになってる津軽…
俺だって津軽が遠い遠いところに行ってしまわないか不安なんだ
不安で不安でどうしようもなくなって、思わず自分のフォルダから飛び出した

パソコンの中は真っ暗で、電源切ってても動いているソフトが時々チカチカと小さな光を出すくらいだ
俺は津軽のフォルダにむかう
津軽のフォルダからは青い光が漏れていて、そんな光に異常に寂しくなった
無理やりフォルダをこじ開けて中にいた津軽に思い切り抱きついた

「さっサイケ!?」
「津軽っつがるつがるつがる!」
「どうしたのサイケ…苦しい」

津軽が優しく俺と話そうとするけど、俺は駄々っ子みたいに頭を津軽の胸に押し当ててグリグリする

「津軽…何処にも行っちゃだめ!」
「サイケ?」
「津軽は俺の知らない遠いところに行くかもしれない!だから、何処にも行かないで津軽」
「…」

津軽は何も言わないで俺を抱きしめ返す
その手は温かくて…でも核心の不安は拭えなくて津軽を抱きしめる力を強くする
どこにも行かないように

「俺はどこにも行かないよ?臨也が俺をデリートしない限り、俺はサイケを置いてかないよ」
「だめ、デリートなんてさせない」
「うん、じゃあずっとここにいる、」
「…津軽は俺を雲だって言ったけど、津軽自身は風みたいだって俺は思うよ」
「風?」

雲は風に流されるんだよ
雲は風と一緒に流れるんだ
だから俺はずっと津軽と一緒にいるよ

「そうか、さっきの言葉がサイケを不安にさせたんだね」

俺は返事をしないでだだ津軽に抱きついたままだった

「サイケ、ごめんね?」
「…」
「俺はずっとサイケのそばにいるからね」
「…うん…俺も津軽から離れないから」


その日はそのまま津軽のフォルダで二人で眠った
もう不安はなくて
温かかった

◇◇◇

あれ?ほのぼの書くっていいながら
二人ともセンチメンタルになった


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