1 聖川と付き合いだして、一週間が経過した。 成り行きで神宮寺の方から告白をし、聖川も同様の思いを持っていると知った。 その後、同室であるが故に落ち着かない空気の中過ごしていた。 一週間経ち、ふと考える。 付き合うとは、どういうことだ? 神宮寺は自身の経験を振り返る。もちろん女性としか経験はないが、まず何度か食事に誘い、両思いであることを確認し合い、その後はベッドを……。 そこまで考えて、神宮寺は思考を振り切った。駄目だ、全く想像できない。そもそも、聖川には性的な匂いを感じない。 一緒に生活をしているのに、微塵もそんな素振りを見せないのだ。 神宮寺としては、寂しさに夜遊びに向かうほどスキンシップが好きな性格のため、後々はその、関係を進めたいと考えている。 想像もつかない段階からスタートというのは、初めてだが、とりあえず。 神宮寺は携帯を取り出し、行き付けのイタリアンの店を予約する。 まずは、デートだろう。 うっかり告白までと順番が逆になってしまったが、きっと一緒に恋人のようなことを経験すれば、そんな雰囲気になれるはずだ。 根拠のない考えだが、聖川に週末の予定を伝えに行く足取りは軽かった。 → |