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自分自身の神宮寺への気持ちの変化に戸惑うまま、時は過ぎていった。

互いの仕事が忙しくなり、神宮寺とゆっくり話す機会もない。


夕食もスタッフや仕事仲間に誘われたり、時間が深夜を回ってしまうため、一緒に食べられない日が続いた。
メールで今日も遅くなるという旨を伝えた後、聖川はため息をついた。


仕事が忙しいことはいいことだ。自己の成長も感じられる。

しかし……。


これ程すれ違いの生活が続くと、一体何のために自分は神宮寺と付き合っているのか、疑問になってくる。


アイドルになるという夢は譲れない。

神宮寺を愛しいという気持ちも本当だ。


しかし、今仕事に追われ、神宮寺を大切にしたいのに、余裕がない。


自分の未熟さ故に、神宮寺を傷つけるかもしれない。


もし、どちらかを選ばなくてはいけないとしたら、俺は。


「聖川さーん、本番です」

「はい!」


聖川はスタッフの呼び掛けに立ち上がり、控え室から本番スタジオに入った。


俺は、迷いなくアイドルへの夢を選ぶ。


こんな薄情な思考なのに、本当に神宮寺を愛していると言えるのだろうか。



司会者の質問に笑顔で答えながら、聖川は心中で自問した。








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