2 聖川が風呂から上がると、既に神宮寺は寝室で寛いでいた。 「何してるんだ?」 「ん」 神宮寺が寝ているベッドの端に座ると、二人分の体重にスプリングが沈んだ。 「お前待ってた」 弄っていた携帯を放り、神宮寺は首に手を回してくる。 まだ髪は少し濡れていて、シャンプーの甘い香りがした。 「ん……」 上唇を強く吸うと、小さく身動ぎ、催促するように舌を出してくる。 素直な神宮寺は可愛い。愛しすぎて、彼の全てを独占したくなる。 「ん…ふ」 唇を離すと、扇情的な瞳で見つめられた。 背中を支えながら神宮寺の体をベッドに押し倒す。首筋にちゅっと吸い付くと、掠れた声が漏れた。 「マサ、明日は?」 「午前中はダンスと歌のレッスンだろ?一緒のはずだ」 「あ、そっか」 とぼけた顔をしているか、確信犯の気がする。 「じゃあ、安心だな」 なんて言って、聖川の腰に手をまわし、スラックスに手を突っ込んでくる。 「っ」 聖川も負けじと、神宮寺の胸の突起に触れた。すると、小さく息を吐いて、ひんやりとした手で尻を揉みしだいてくる。 神宮寺はいつも大人しく抱かれてはくれない。聖川はため息を吐きつつ、立ち上がった突起に噛みついた。 「っん、……」 唇と前歯で愛撫すると、神宮寺は小さく喘ぎ、腰を揺らした。 密着している自身が固く熱を持ち始めている。すぐにでもそちらに触れたい気持ちを押さえながら、神宮寺の胸を吸う。 目線を上にやると、紅潮した頬とうっすらと開いた唇が見えた。 抱き合い始めてすぐは、そこで感じることを恥らってか、いやいやと首を振っていたが、最近は慣れたのか、気持ち良さに身を任せてくれている。 聖川の胸に充足感が過る。もっと気持ち良くさせようと、乳首を舌で転がしていると、神宮寺は聖川の背中をとんとんと叩いた。 「?」 「聖川、もう触ってくれ」 切羽詰まった声に、聖川自身が反応した。神宮寺が焦れたように屹立を擦り付けてくる。艶かしくて堪らない。 「すまない。もうこんなになっていたな」 「んっ、言うなよ…」 耳朶を食みながら、神宮寺のそれに直に触れる。固くなったそこの先端はうっすらと濡れており、聖川が触れればさらに溢れていくようだった。 神宮寺が感じる様子を間近で見つめながら、聖川は愛撫を続ける。 「ん、お前だって…」 「っ、こら…」 神宮寺は快楽に喘ぎながらも、聖川の屹立に手で触れた。激しく巧みに坪を押さえられて、聖川も段々と高められていく。 今夜はあまりもちそうにない。聖川は己の獣の部分がじわじわと覚醒し出すのを自覚した。 この美しい男を快楽のままに貫きたい。滅茶苦茶に抱いて、乱れさせたい。 背中にまわしていた片手を下に滑らせ、神宮寺の固く閉じられた秘所へと侵入させる。 神宮寺は一度ビクンと腰を浮かせたが、すぐに両足を広げて受け入れてくれた。 「今日は早いな」 普段は挿入は、神宮寺を一度イかせてからだから、神宮寺は呟いた。 「イきたいか?すまない、余裕なくて」 「んーん、いい。早く欲しい」 神宮寺がぎゅっと体を密着させてくる。寂しがり屋で甘えん坊なこの恋人が、いとおしくて堪らない。 自由になった両手で、神宮寺のそこを周囲も含め拡張するように愛撫する。少しずつ収縮を始め、神宮寺の甘い喘ぎも目立ち始めた。 「ん……マサ…」 「いいか?」 「うん…」 ぎゅっと、再び強く抱きしめられた。緊張を解くように頭を撫でながら、神宮寺の体を抱き返した。 「ん…」 狭い入り口に宛がい、ぐっと腰を進める。屹立を捩じ込むと、温かな内壁に締め付けられた。 「くっ、…」 「っ、痛いか?すまない」 ぎゅうぎゅうと収縮するそこの、少しの隙間を狙って自身を進めていく。神宮寺ははぁはぁと息を切らしながら、力を抜こうと頑張ってくれている。 「大丈夫、…んっ、マサ…」 神宮寺の唇を塞ぎ、舌を絡める。 内壁にきっちりと掴まれ、このまま持っていかれそうだと思った。 気持ち良さにくらくらしながら、聖川は神宮寺の耳元で囁く。 「っ、動いていいか…?」 「んっ…」 了承の言葉の代わりにちゅっとキスをし、抱き寄せられる。 可愛い。同じ男に対して、不思議なことだが、思った。この男を守りたい、と、自然に思った。 最奥を突き、繋がりをいっそう深くする。神宮寺も、自身の腰を淫らに動かしながら、快楽を追求していく。 「あっ、ぁ…マサ…」 「っ、愛してる…レン…」 激しく中を擦りあげ、同時に神宮寺の屹立も責める。お互いに絶頂に向かっていく。 「ぁっ、あっ、あ…マサト…き…好き…」 神宮寺が小刻みに体を震わせ、切なげに喘ぐ。聖川はぐっと体を進め、神宮寺の最奥をもう一度突いた。 「レン…」 「あぁっ……」 そして、二人同時に果てた。 → |