はじめまして U







「お前が俺の隣の席のやつだな!」

「俺は山道通。よろしくね!花ノ下!」

「ああ、宜しくな、通!通はかっこいいな!あ、あと俺のことは姫でいいぞ!」

「そうかな?ありがとう!じゃ、改めてよろしくね、姫」

クラスが沈黙に包まれる。理由は花ノ下が通のことを名前で呼び、通も花ノ下のことを名前で呼んだから、だろう。

隣の席だけではなく名前呼びまで交わした花ノ下に、山道ファンの怒りは沸点をゆうに越していた。

牙介は、そんな周りの状況を客観的に見ながら、笑顔で通と話す花ノ下に、言い表せない嫌な予感を感じていた。




────そして、その嫌な予感は見事に当たることとなる。








花ノ下が転入してきてから、通は変わってしまった。通は、理由は分からないが、花ノ下に惚れたのである。

そして花ノ下は通だけではなく、この学園の役員持ちや、人気者達を、どんどんと落していったのだ。お陰で学園は荒れに荒れ、授業に出席しなくなった通に、牙介の心も大荒れだった。





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