あ、愛しい。 | ナノ


元々私は独占欲の強い人間だったから、椎名のことを取られるのではないかという気持ちはいつもあった

かわいい椎名に、悪い虫が付くことを恐れていた


行き過ぎたこの感情は、どう考えても友情ではなかった


椎名が好きだ


それを伝えることなんて出来なかったから、私はせめて椎名が幸せでいられることを願った

それなのに


「桜子」

「なぁに」


椎名の口から男の名前を聞くのが嫌だった
愚痴もノロケも何もかも全部


だから椎名が彼氏と別れようと思うと言ったとき


私は嬉しかった


これでまた椎名はわたしのものでいてくれるから


    
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