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「梅流!」
「蔵馬!ゴメンね!私、迷っちゃって…」
「俺も、ごめん…まさか梅流が迷うとは思ってなくて…」

蔵馬の顔を見た梅流が走りより、蔵馬に抱きつくと蔵馬もまた梅流をきつく抱きしめた。

「お熱いですねぇ〜」
「綾ちゃん?ニヤニヤ気持ち悪いよ?」
「酷っ!海里さん!!」
「でも、本当に綾ちゃんニヤニヤです〜」
「ニヤニヤだね琉紅ちゃん…綾ちゃん?エロ狸オヤジとか、最悪だから気をつけてよ?」
「だから、違うし!エロとか付けないでくださいよなつさん!!」

笑いながら、綾子をネタに一斉に話し出す賑やかさに、
抱き合ったままの蔵馬と梅流、そして亜梨馬と杏は顔を見合わせた。

「いつもこんななのか?」
「まぁね…」
「大体こんなだね…」
「仲良しなんだね!」
「まぁ、蔵馬と梅流ほどじゃないけどね…」
『あ…』

亜梨馬の言葉に、抱き合ったままだったのを思い出した蔵馬と梅流は、
思わず赤くなりながらようやく離れた。

「もういいだろう…帰るぞ?」
「また、遊びに来てくださいね〜!結界に入ったら、通りゃんせでお迎え上がるんで〜」
「いらん!!どうせ、また変な術をかけるつもりだろう!」
「当たり前じゃないですか!それが楽しいんですから…」
「綾っち…とりあえず、今日はこの後いろいろお説教ね?」
「久々に帰ってきたと思った途端の、梅流の極端すぎる怖がらせ方…わかってるな?」
「ゲッ!…このままもっかい旅に…」
「逃さないからね?琉紅ちゃん、綾っちにくっついて絶対離さないでね?」
「了解です!」

杏の言葉に、琉紅は綾子の腕に抱きつくようにしがみついた。

「ちょっ?!琉紅さんはずるい!解けない!!」
「エヘヘ〜逃さないからね〜」
「猫姿のなつの追撃いる?」
「海里さん?!その最強ダッグだめ!」

変わらず綾子を弄るメンバーに、蔵馬と梅流は笑ってみていた。

「それじゃ、そろそろ御暇するよ」
「今日はありがとう!」
「こんな賑やかな所でよかったら、また遊びに来てね梅流ちゃん!」
「うん!ありがとう!絶対また来るね!」
「それじゃ…」

蔵馬と梅流、そして飛影はそうして姿を消した。

その後、その日は亜梨馬と杏による綾子へのお説教は夜中まで続いていたとか…

蔵馬からの同盟話を断った亜梨馬だったが、両コミュニティーの関係は良好で、
お互いに行き来し事実上同盟を組んだ状態になった。


この山にいる者たちそれぞれが、なぜこの山に流れ着いたのか…
仲間さえも騙すことができる綾子は一体何を目的としているのか…
それはいつか分かるかもしれないが、
今はただ穏やかな空気と時間が、2つのコミュニティーを包んでいた。

(終)



*管理人メッセージ*


綾子さんから頂きました!
超大作お疲れ様ですー!!

どのキャラも可愛くてカッコよくて読んでてすごく楽しかった〜〜!!
あの1枚絵からここまで素晴らしい作品を書けるなんて…//////

毎度の事ながら、綾さんの書く琉紅は本家の数万倍かわいい!w
小動物っぽさがすごい庇護欲掻き立てられる…

終盤で原作組が登場して一気にテンション上がりました💕
からの蔵瑪展開、ごちそうさまです( *´艸`)


素敵な作品、ありがとうございました!!



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