「流蘢!急いで汀兎と紅唖に知らせるんだ!」

「わ、わかった…!でも、麓兄は!?」

「俺はここで、…こいつを食い止める!」

「でも…!!」

「いいから早く行くんだ!!!」

麓の気迫に圧され流蘢はダッと駆け出した
少年は彼女を追わずにその背中を見つめている

「あ〜あ。僕が用事があるのは君じゃなくて、その妹さんと君たちが守る"宝玉"なんだけどなぁ」

「…瑪瑠には、指一本触れさせない。勿論、“宝玉”にもな」

「邪魔をしないで大人しくそこをあけてくれるかなぁ…?それとも、消し炭になりたいの?」

「…お前に道を譲るくらいなら、それもいいかもな」

「あっはははは!!それじゃあお望み通り…!焼き殺してあげるよ!!僕の最強の炎からは誰も逃げられないんだからさぁあああ!!!!」















「―――“最強の炎”?ふん、くだらん謳い文句だな」



















轟音が鳴り、少年の周りを漆黒の炎が取り囲む
魔界の“真”の炎だ

竜巻のように上空へと巻き上がる炎の中で少年は黒き炎から放たれる瘴気に顔を歪めた
少年がもがくように炎を切り裂く
それとほぼ同時に麓の目の前に黒い影が降り立った

漆黒の衣に逆立った髪の毛
額には鋭い眼光を放つ、第三の眼



「…飛影!!」


麓が人物の名前を叫ぶ
飛影はニヒルな笑みを浮かべて少年に視線を向ける

それから、低い声で告げた









「…貴様に、本当の炎術というものを教えてやる」




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