8話









王子様はやけに慌てて私にマントを肩から掛けてくれた





「(あ、たしか本に書いてあった…人間は 服 を着る んだよね?もしかして着てないと常識知らずって事になるのかな?)」



「お前…どこから来たんだ?」


「(あ、そうだ喋れないんだった…)」


「?なんで服来てないんだ」



「(王子様…気付いて!)」





私は王子様に必死に声が出ないジェスチャーをする


王子様はその必死なジェスチャーを見て理解したのかあぁ、と声を洩らした




「お前声が出ないんだな!」



王子様の回答に私はすごい勢いで頷く






「浜辺に打ち上げられてるって事は船から落ちたかなにかだな?大丈夫 おいらも船から落ちて助けてもらったんだ…そういやお前…どこかで」



「(!?)」




「いや、気のせいだなうん
とりあえず城に来いよ おいらも助けてもらった お前も見てもらえると思うぞ」






王子様は私に手を差し伸べ優しく微笑んでくれた


残念ながら覚えてくれていなかったけど微笑んでくれたその顔は私が惚れた王子様の笑顔だった












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