5話
「あぁ…そんな…」
違う、違うの助けたのはあの人じゃない
私 私なの!!
あぁ、なぜ私は人魚なのだろうか
私が人間だったならばあの時も今も私だと言えたのに…!
私は悲しみを抱え海に戻る
本当は 私 なのに …
海の底に戻った私は泣きながら王子様の事を考えていた
「私が…人間だったなら…」
「あら、何か悩み事?よかったら話してみない?」
顔を上げると怪しいオーラを纏った女が佇んでいた
「あの、あなたは?」
「私は魔女よ 海の魔女
ね、私に話してみて 私ならあなたの望みを叶えられるかもしれないわ」
願いが 叶う?
「本当に 願いが叶うの?」
「私は魔女だから 大抵の願い事は叶えられる筈よ さぁ、あなたの願いは何?」
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