音が聞こえる。

あぁ、シャワーの音か。

気付けば僕は廃墟のシャワールームで水を浴びていた。
随分長いこと浴びていたのかもう身体は冷え切っている。

そうか、血だらけで帰ってきてマチに勧められてシャワーを浴びにきたんだっけ。


コックを捻って水からお湯にかえる。
それでもまだ僕の身体には血がこびりついていて爪や髪を丁寧に洗った。

排水溝に赤は飲み込まれていく、僕の感情と共に。

あぁ、それでいい。

感情なんて邪魔なだけなのだから。


ふと手を握るとあの感触が蘇る。
この手で人の頭を潰す。

それも簡単に。

自覚しろ、僕は化け物なんだ。


シャワールームから出てバスタオルに身を包む。
鏡を見ると少し成長した僕の身体が映った。


「あぁ、いやだなぁ…」

膨らむ僕の胸、憂鬱な気持ちになる。
こうして団長と離れている間に僕の身体はどんどん女になるんだ。


「本当に醜いネ」






汚れた体に、愛を
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