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ーーーこ、ーこーーーはーーーーー?


重い瞼をゆっくり開ける。
ぼやけて視界が把握できない。

赤…?


あ…、この匂い…懐かしいな。


どこで嗅いだんだっけ?

…ずっと、昔?

涙が出そうだ、とても、懐かしい。


心から安心するーー、



「こ、れ…団長の…、!」


あぁ、戻ってきた。

此処は団長の部屋が。

この匂いはよく僕が団長の部屋に焚いていた香の匂い。


「…戻った…」


ぐっと体に力を入れ無理やり起き上がる、僕はベットに寝ていたらしい。


団長はどこだろう?


カーテンレースを開けようとした瞬間布越しに重い蹴りが僕の懐に入ってきた。

瞬時に腕で止めるが骨がいったようだ。



「俺の部屋に侵入するなんてスゴイじゃないか、キミとは楽しめそうだヨ」



あぁ、

あぁ、団長だ。

僕の生きる意味。

僕の全て。



「だ、…んちょう…っ!!!!」


「あり?その声は…」


カーテンレースを引き裂いて僕は団長に抱き着いた。
やっと会えた。

やっと。


「神夜じゃないか、随分いなかったネ。おかえり」

驚きながらも優しく僕の頭を撫でる団長の手に思わず涙が溢れた。

僕はこの人のために生きてるんだ。


「ただいま…帰りま、し…た」


へらりと笑えば団長も笑う。

今僕は世界一の幸せ者だろう。



涙の再開
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