『ゾルディック家で暮らすからには仕事はしてもらう、最初は慣れないだろうからイルミと組んでくれ』


シルバさんに言われた言葉を反芻して憂鬱になる。
なんでこいつと
目的場に向かって走ってる最中にジロッと隣を見ると相変わらずの無表情が俺を見ていた。


「なんだよ」

「男の姿に戻ったんだ」

「あぁ、何発かぶん殴って無理矢理元に戻る水を浴びた」

「ふーん」

イルミは何か言いたげな表情でジロジロと俺を見る。男の姿だと身長が同じくらいなので少し違和感があった。


「なんだよ」

「女なんだから女でいればいいのに」

「けっ、俺は女になんか絶対なりたくねぇって、っ!の」

バシャリと俺に何かがかかった。
視界が縮まる。


「あっちぃーーっ!」

「すいませーん!大丈夫ですかー?」

「しねっ!」

たまたま風呂屋が故障したらしく熱湯が俺にかかる。
あーあ、これから仕事だってのに。ちくしょう。
イルミを見ると何やら考え込みながら俺の頭をポンポンと撫でた。


「うん、こっちの方がいいね」

「てめぇ、バカにしてんだろ?」

「いいや?それよりもう時間ないしその姿のままでいいね」

「あ!おいっ!」

言うや否やイルミは俺を抱え上げ走り出す、抵抗してもビクともしない。


「放せよ!!一人で走れるって!!!」

「そんなぶかぶかの服なら転ぶよ、いいから大人しく」


こいつは優しいのか嫌味なのかいまいちわかんねぇな。
まぁ、一応感謝しておくか


「タイムロスは足手まといだからね」

やっぱ訂正。

こいつ嫌いだ。



(いけすかねぇやろう)


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