俺、幸せ




あれから暫くして仮宿を出ることになった。

シュリには俺が幻影旅団でどんなことをしてるかすべて話した。
話した上でどんな俺でも好きだと言ってくれた。


だからシュリについてきてほしいとも言ったがそれには賛成してくれなかった。

大切な庭を枯らしたくない。

シュリらしい意見だと思った。


だから、あちこちを転々と生活する蜘蛛だけど仕事がない日は俺は欠かさずシュリに会いに行ってる。



「シュリ」

「フィン!今日は早かったね」

「シュリに会いたかったから早めに抜けてきた」


シュリが俺の腕の中へ飛び込んで来るのを優しく抱きとめて、唇にキスをする。



落としたプリンから始まった甘い恋。

鈍感すぎて遠回りしたけれど、今この手にお前を抱き締める事ができるなら俺は幸せだ。

初めてできた俺の守りたいもの。

ありったけの愛をキミに注ぐ。



Fin.






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