鈍感チャンピオン


**シャルナークside

フィンがようやく自分が恋してることに気付いたらしい。

朝からうるさい。
俺の部屋と団長の部屋を行ったり来たり。


「シャル!団長が少しだけならこの仮宿にいることを延長してくれるってよ!」

嬉しそうにはしゃぐフィンを横目に思わず苦笑いが漏れる。


「そりゃ良かったね、って言いたいとこだけど、延長されたとこで何がかわるの?」

「あ?そりゃ、お前…その分シュリと会える」


バカだ。
本物のバカだ。


「あのね、フィン。確かに会えるかもしれないけどいつかは此処を離れるんだよ?ずっと此処にはいれない」

フィンの表情がピシリと固まる。


「早いうちに気持ち、伝えてきなよ。踏ん切りつくでしょ」

俺の言葉にフィンクスは「お、おー…」と言いながらフラフラと自分の部屋へ戻っていった。



さぁ、大悪党と一般人の女の子。
どうなるかね。


シャルナークは口角をあげて少しだけ明るい未来に思いを馳せた。


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