俺、締められる。


シュリの店に通ってもう一週間、流石にもう部屋の中に花束をさした花瓶を置く場所はねぇ。
つーか俺の部屋なのに花の匂いがして何だか違和感がある。


「どーすかなっこれ」

今日造ってもらったばかりの花束を見つめて頭をポリポリかいた。
置く場所もなく仕方が無いから広間に行くとシャルとマチとフェイがいた。

「おいマチ」
「なんだい」
「やる」

こん中で女はマチだけだしな。マチの前に花束を差し出すとマチはポカンと間の抜けた顔をした後眉を寄せた。


「あんたアタシに気でもあんのかい?」
「そんなわけねぇだろブス!」

言い終わるや否やマチの糸が俺の首にかかる。

「あ、マチ。ストップストップ。フィンクス顔赤通り越して紫になってるから」
「ちっ、こんくらいで勘弁してやるよ」

ギリギリと締められてた首を解放され俺は酸素をやっと与えられた。
ちくしょう、なんて凶暴な女だ。
しかもチャッカリ花束は持ってきやがって。

「危うく死ぬところだぜ」
「今のはフィンクスが悪いよ」
「馬鹿丸出しね」


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