仕事としてこなす囚人の処刑では飽き足らず、最近は野良犬や猫にまで手を出すようになった。いけないことだとは分かっている、つもり。だけど最早自分では制御しきれないほど荒れ狂った感情に取り憑かれて。人間も動物も首を斬ってしまえば只の血を吐き出す肉塊になる。なんて命は脆い。あの人の命もどこかに行ってしまった。私が最初で最後に愛した人。私が歩いた道にはいくつもの首が転がっていて。私の眼と同じ紅い色にそこら中が塗り潰されて。

「……あなたは私の眼の色好きだって言ってくれたよね?ほら、いっぱい紅いよ?ねえ、もう一回誉めて…?」

暗い空に向かって呟く。勿論返事など返ってくるわけもなく。

「あは、…あはははははははは!!!!そっかぁ、まだまだ足りないぃ??じゃあーもっと殺すねえ?そしたら早く」

迎えに来てね?狂ったような笑い声が辺りに響いて少女は再び獲物を求めて独り彷徨う。もう私は本当に狂ってしまったのかも、しれな、い。通りすがりの人間に吸い寄せられるように近付き鎌を振り下ろした。ああ私はとうとう何の罪もない人まで殺してしまったのですね。返り血を浴びたショケイスキーは笑っているのに泣いていた。銀色の髪も白い肌もただ紅く染まるしかなくなった。もう以前の暖かい手は無いのだから。

本当は分かっている。この行為が無駄なことも、あの人を哀しませるだけだということも。


素足のブラック・レディ
(後どれだけ殺せばあなたに会えるかなぁ?)

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カンシュが死んで病み病みなショケイを書いてみたかったんですごめんなさいいい



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