決して声など上げるものかと下唇を裂けそうな程に噛み締めた。

「…殊勝なこった。折角だから楽しめば良いのによ」
「…ハッ、死んでもアンタなんかに媚びたくないね」
「かっわいくねーの」
「そりゃどーも」

およそこの行為に愛などと言う陳腐なものは存在しない。コイツは私を自分の玩具だとでも思っているのだろうか。クソ、私だって男ならこんな奴掘り返してやると言うのに。厄介な性別に生まれたものだ。その割には胸も小さいし女に生まれて良かったことなど何一つ無い。

「あーあ、締め付けは最高なのになあ」
「出来ればそのグロいモン引き千切ってやりたいわ」
「おっかねーこと言うな。これでもっと可愛いげがあればなあ…あと、胸も」
「じゃあ別の女とヤりなよ」
「や、俺抵抗される方が燃えるんだよね」
「うっわ、悪趣味。変態」
「だから俺お前のこと割と好きだぜ?」
「…やめなよ、気持ち悪い」

いや、おかしいだろ。好きだとか愛してるとか禁句だろ、こんな関係に。こんな、こんなの認めない。戯れ言だ。やめろ。やめろやめろやめろ。

「ぅ、あっ」
「え」
「え」

うわ、最悪だ。頭の中がぐちゃぐちゃになっていたせいで突然の刺激に対する心構えが出来ていなかった。最悪最悪最悪。ぐちゃぐちゃになったせいでまた声が出た。何かがガラガラと崩れていく様な気分だった。

「あ、バカ、やめ、」
「突然素直になったなあ。はは、かーわい」
「くそ、この、殺す、殺してやる!」
「殺してみろよ」
「いっ、あ、」

好きとか抜かすから悪いんだ。私は死ねばいいと思うくらいに好きなのに言えないのに。今更言える気なんてしないから言わなかったのにコイツは。

「お前なんか死ね…」


憎い、憎い、嗚呼憎い。

(嘘だよ。全部嘘嘘。)

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昔に書き殴りそのまま消すに消せず晒されたものシリーズ第4弾



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