日常の中でのちょっとした触れ合い。それにさえも身体が熱くなる。全くどこの少女漫画のヒロインだ。俺はヒーローだぞ。それ程大きくも無いソファーに男が二人も腰掛ければ当然窮屈な事この上無くて。新しいものを買えば良いのかもしれないが生憎気に入っている品なのでそうする気は起こらない。指先に当たるスプレンドントの手にばかり気が集中して楽しみにしていたテレビ番組も頭に入ってこない。

「観ないの?」
「は?」
「テレビ。楽しみだったんだろ?」
「ああ、うん」
「…そんなに繋ぎたいの」
「何を」
「手」

ヒラヒラと眼前で手が振られる。「誰が」と言ってその手を払うと「素直じゃない」と言われた。一体何に素直になれと言うのだろう。ドントの目は何もかもを見透かされている気がして出来れば合わせたく無い。でもこの至近距離では避ける事は難くてだからそっぽを向いた。もうテレビなんかどうでも良くなっていた。

「不機嫌さんだねぇ」
「違えよ」
「…そう言うのは癖直してから言いなよ」

知らず貧乏揺すりをしていた足を撫でられてぞわっと背筋に悪寒が走った。コイツの触り方嫌い。

「さ、触んな」
「減るもんじゃ無いだろ」
「そう言う問題じゃ無え馬鹿…って、言ってるそばからああああ」

ぎゅうと抱き着いてきた男に嫌悪を示すでも無く顔を赤らめるなんて本当にどうかしている。体温の上昇と共に心臓が締め付けられる様なそんな気がしてだからどこの少女漫画。頭では認めていないけれど身体はこんな事になっているのだ。この反応はもうどう考えてもあの答えにしか転がらない。


誤魔化しきれない感情

(…誘ってるだろ)(は!?)
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ビックリする程女々しい←



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