「ペチュ」
「………」
「拗ねるなってば」
「拗ねてないわ」
「じゃあこっち向けよ」
「………」
「悪かったって」
「別にハンディーが悪い訳じゃ無いもの」
「でも嫌だったんだろ?」
「………」

ああ、何があったか分かんないか。いやまあ俺がフレイキーに汗拭いて貰っただけなんだけど、ペチュはどうにも気に入らなかったらしくて。俺からフレイキーの匂いがするとか言ってそっぽを向いたままなのだ。体育座りをしてそこからちっとも動いてくれない。

「ペチュ」
「………」
「ペーチュ」
「………」

顔を覗き込んでもどうしても目を合わせようとしない。ああもう全く嫉妬深いお姫様だなあ。腕が有ったら頭でも撫でてやるのに。どうしたものかと思案していると突然ペチュが抱き着いてきて、相変わらず細っこい身体だと思った。

「ハンディーなんか嫌い」
「え」
「私以外の女の子と居るハンディーなんか嫌い」
「………」

可愛いなあああああああ……!!ニヤケが止まんねえしヤバいヤバいヤバい。

「ごめん」
「何笑ってるのよ」
「可愛いから」
「馬鹿」
「馬鹿だなぁ」
「納得しないでよ」
「いや、納得するコレは」
「もう…」
「…どうしたら許してくれる?」
「………このまま」
「へ?」
「このままで居させて」
「…はいはい」


…俺の彼女がこんなに可愛くて良いのか。


目薬は盲目な恋には効きません
(私って独占欲強かったのね)
(今更…)
(何か言った?)
(いえ何も)

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