トイレットペーパーが切れてしまいジャンケンで誰が買いに行くか決めようと言うことになり、そして現在に至る。

「何でグー出したかなー…俺…」

通称可哀想な奴であるカンシュコフは外出用の楽な服に着替えてぶつぶつと愚痴を溢している。残念ながら負けてしまったらしい。

「お前本当運悪ぃよなー」
「あ、ついでにコーヒー豆買ってきてよ」
「何かムカつくなあんたら!」

ははは、と明らかに小馬鹿にしたように笑うロウドフとゼニロフ。彼らは勝者らしい。とすると残るはショケイスキーとなるわけだが…。

「…着替えた」

部屋の扉が開いて出てきたのはいつものフード付きの黒い服とは違い白いTシャツに黒いスカート姿のショケイスキーだった。まあ割と普通の女の子らしい格好だと思う。着替えたと言うことは彼女もカンシュコフ同様ジャンケンに負けてしまったのだろう。

「…変、かな?」
「まあ良いんじゃねえの」
「うん。良いと思うよ…って、カンシュコフ?何固まってんの?」
「うぇ!?いやいや固まってなんかないっすよ!」

想像以上に可愛かったんでとか言えねえし…!、と頭の中がパニックに陥りかけているカンシュコフは挙動不審だ。ヒくと言うよりは寧ろ笑えてくる。

「……やっぱり、変?」
「え?…ええっと…いやまあその…か、可愛いんじゃない、か…」
「…良かった」

……あれ、結局可愛いって言っちゃったよ俺。何か焦りすぎじゃねえか俺…!、と自分で自分にツッコみたい気分は山々だがショケイが笑ってくれたようだからどうでも良いか。

「まあおしゃべりはこの辺にして。はい、お金」
「気ぃつけてなー」

無理やり部屋から追い出され、挙げ句鍵まで掛けられた。あの人らいちゃこらしたいだけだろうが!

「カンシュ行かないの?」

服の袖を引っ張られ我に返る。

「あーいや…行こっか」

生憎俺は車の免許を持っていないため自転車で行くしかない。そんなに遠い距離ではないから大丈夫だろう。ショケイスキーを後ろの荷台に乗せる。

「ちゃんと掴まっとけよ。危ないから」
「…うん」

そう言うとショケイスキーはカンシュコフの腹の辺りにそっと腕を回す。カンシュコフはそれを確認するとゆっくりと自転車を漕ぎ出し徐々にスピードを上げていく。夏の涼しい風が二人の頬を撫でた。

「二人でどっか行くの初めてだな」
「そうだね」
「あ、お金余ったらアイス買おうぜ」
「…うん。アイス好き」
「冬でも食ってるもんなー」

ははっ、と笑うと背中からも小さく笑った気配がした。それだけで面倒臭かった買い物も悪くなかったかもしれないと思えた。

「じゃあスピード上げるからな!しっかり掴まっとけよ」
「……うん!」


これではまるで恋人ではないか
(またアイス買いに来ようか)
(約束、だよ)

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無駄に長い←
私服のショケイにときめいたカンシュを書きたかっただけなんだけどなー…´`




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