村でも一際目立つピンクと黄色の二人組は今日も今日とて仲がよろしいようで。カドルスの家にギグルスが来るのは最早日課となっていた。昔は外で皆と一緒に遊んでいた二人も今では恋仲となった。成長につれ異性を意識するのはごくごく当たり前のことで。

「ギグー」
「んー?」
「ぎゅーってして良い?」
「いーよっ」

抱き締めると男と女の体格差がはっきりと分かる。カドルスは華奢な体つきだがギグルスと比べるとやっぱり男の子で。

「ギグ柔らかい」
「何それ」
「なんかふにふにって感じ」

カドルスに頬擦りをされてくすぐったい。可愛いと純粋に思ったら口に出ていたようで、可愛くないよと返された。拗ねたように唇を尖らすカドルス。そういうところが可愛いっていうのに!でも彼は可愛いだけじゃないから狡い。

「わっ」

身体が重力に従って倒れる。ぽふっと音がして背中に柔らかい感触。あ、これは。

「…いきなり」
「ごめんごめん」
「もう。スカート捲れちゃうじゃない」

くしゃくしゃになったスカートの裾を引っ張る。元々短いスカートを引っ張ったところでそんなに足を隠せるわけでもないのだけど。どうして短いのかってそれはまあ、ね?顔を掴まれて無理やりカドルスの方に向かされる。

「俺のこと見て」
「ごめんごめん」
「ちゅーして良い?」
「いーよ」

男の薄い唇と女の厚い唇が重なる。私と彼はどこまでも男と女なんだと思い知らされる。

「ギグ」
「んー?」
「好き」
「うん」
「好きだよ」
「うん」
「好き?」
「うん」
「うん、ばっかり」
「うん」
「もー…怒るよ?」
「怒れば?」
「…無理」

くす、と笑いを溢してカドルスの首に腕を回す。

「カドルス」
「ん?」
「好き」
「うん」
「好きだよ」
「うん」
「好き?」
「うん」
「…うん、ばっかりになるでしょ?」
「あ」

しまった、という顔をして目を逸らすカドルスにまた笑いが溢れた。


思春期の衝動というやつです
ああなんて幸せなんだろう!

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抱微はムカつくくらいにリア充していれば良いんじゃないかと思います^^←



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