とんとん…、とリズム良く包丁が野菜を刻む。 「…っ」 と、人差し指を切った。狙撃手は手が大事だと言うのに…。絆創膏はどこだっけ。 「おいコプチェフ」 「んー?」 「絆創膏」 「絆創膏?…あー切っちゃった?」 「ああ」 コプチェフは棚から救急箱を出すとがさがさと中をまさぐり消毒液と絆創膏を取り出した。 「……消毒するほどでもねえよ」 「いやまあ一応ね。指出して」 「…自分で出来るっつーの」 「俺がしたいの!ほら早く。いっぱい血出てきてるじゃん」 渋々指を出すと消毒液を浸したティッシュで傷口と血を拭われる。少し、いやかなり滲みてうっすら涙目になる。 「はい終わりー」 「……どーも」 「あれ、ボリス泣いてない?」 「泣いてねえよ馬鹿!」 ふん、と鼻を鳴らして再び包丁を握る。ふと絆創膏が貼られた指を見る。綺麗に貼られていて、きっと自分でしていたら汚くなっていただろう。…何かムカつく。 「手伝おっか?」 「今日は俺が当番だろ」 「でもー…」 「……じゃあ玉ねぎ切ってくれ」 「…分かった!」 あなたの前では、自分の愚かさを思い知るばかりです (玉ねぎ目に滲みる…!) (……ザマぁ) ‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐ 夕飯何だったんだ… ← |