バタン、と扉の閉じる音がして足音が遠ざかっていく。しん、と何の音も気配も無くなったところでゆっくりと目を開けた。まだ夜は明けていないらしく部屋は薄暗かった。……寒い。当たり前か、何も着ていないのだから。服はあるにはある。が、床に散らばったそれをわざわざ暖かいベッドから這い出て取りに行く気にはなれなかった。掛け布団を頭から被ると先程まで隣に寝ていた奴の匂いがした。別に嫌いではない。 「(全くさぁ……)」 無理強いするなら最後まで強いれば良いのに。今更無理やり抱かれても何も思わない。最初が最初だったのだから。 「(撫でたり、しないでほしい)」 挿れるとなると突然に優しくなるのだアイツは。そして馬鹿みたいに私のことを求める。女なんていくらでもいるだろうに何度も私の名前を呼んで。目が覚めるとまたいつも通りのムカつくニヤケ面。だから余計に調子が狂う。 「(なんで)」 アイツが優しいのは寝てる時と情事中だけだ。頭を撫でたりだとかキスしたりだとか。そんな、本当に好き、みたいなことを、何回も何回も。───足音。起きていても良いのだけど何故か寝たふりをしてしまった。ギィ、と扉の開く音がして気配が近付いてくる。 「……黙ってりゃ可愛いのに」 くしゃ、とやや乱暴に頭を撫でられる。くるまっていた布団を捲られて代わりに人の温もり。寝息が聞こえて少し目を開けると目の前には綺麗な顔が。…コイツもしてるんだから私がしても文句言えないよね。寝息を立てる彼にそっとキスをする。途端に恥ずかしくなって私ももう一度寝ることにした。 嘘つきたちの輪舞 起きてる時にしてくれれば私ももっと素直になれる、と思う。 ‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐ 弟狡! ははは、なんて俺得← っていうか、私エロばっかじゃないか…? 良いのかなこれヒかれないかな;← ← |