視界が赤く染まっていく。返り血が目に入ったらしい。鬱陶しいが拭うのも面倒なのでそのままにした。今はただ自分の視界に入る人間全てを殴り続けた。イライラする。何てことはない。自分達に歯向かったマフィアを潰しに来ただけだ。最後の一人と思わしき人物が動かなくなってそこに立っている人間はキレネンコただ一人となった。ああ終わったな。そう思った瞬間急激に頭が冷えていくのが分かった。足元に転がっていた人間を踏み潰した。ぐちゃ、と嫌な音がして赤黒い液体が飛んだ。自分も死ぬときはこんな無様な姿になるのだろうか。まあ死んでしまえば無様なんて思うこともないだろうからどうでも良いのだけど。

「うわー、まーた派手にやったね兄貴」
「……キル」
「可哀想になぁ。もっと綺麗に殺してあげれば良いのにさ」

弟は血肉の海に顔色一つ変えずいつもの薄ら笑いを浮かべて足元の人間を蹴飛ばした。それでよく可哀想なんて言えるものだ。

「あーもうさ、この建物燃やさない?死体処理とか面倒臭いしー」
「……ああ」

早く帰ってシャワーを浴びよう。それからスニーカーも磨かないといけないな…黒かったのに赤色になってしまっている。この靴も大分汚れてしまった。手も服も赤く染まって何もかもが赤くて。俺に触れられたものは赤くなる運命なのかもしれないなんて。


恋をして愛を知って、やっと人へと生まれ変わる
いつか、赤くならないものに出会えるのだろうか。

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爆殺される前
プーに会って変わっていくんです←




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