看処

「…おいし」
「こんなクソ寒い日によくアイスなんか食えるな…つか、お前は飯食え」
「アイスは別だから…」
「なんだよその理屈」

ショケイは普通のご飯はあんまり食べないくせにアイスだけは馬鹿みたいに食う。腹壊すんじゃないかってくらいに。今だって既に三個目だっていうのに、机には未開封のカップアイスが二個もスタンバイしている。五個も食うのかこの寒い日に!カンシュコフは見ているだけで寒くなり、部屋を暖めているストーブを引き寄せる。

「身体強くねえんだから…冷やすと良くねえぞ」
「……じゃあ、これで終わりにする…」
「ん」

もそもそとアイスを食べるショケイの顔は幸せそうで。普段がそんなに笑うわけじゃないから、そういう顔が見れるのはちょっと嬉しい。それにしてもダブルチョコとかキャラメルメープルとか……甘っ!

「…それ、何味?」
「え?えと、ハニーミルクバニラ…かな」
「二個も甘そーなの食って!?よく食えるな…」
「お、美味しいから…」
「…ちょっと頂戴」

あ、とカンシュコフが口を開けるとショケイスキーはアイスを一掬いして。口に入れられた瞬間甘ったるい味がカンシュコフの口に広がる。美味しいけどたくさんは食えねえなー…。

「美味しく…ない?」
「んー、まあ美味いよ」
「良かった…」
「なんで嬉しそうなんだよ」
「……なんでだろ」
「なんだそれ」

ショケイは何て言うか幼い感じがする。育ち、とかのせいかもしれないけど。話し方とか、表情とか、反応とか。

「あ」
「何?」
「…間接」
「?」
「スプーン。一緒の使ったろ」

ショケイスキーは首を傾げ、数回瞬きをするとスプーンに目を落とす。それからカンシュコフを見てカアッと頬を紅く染めた。

「……ショケイ?」
「…も、もうカンシュにはアイスあげない!」

カップに残っていたアイスを一気に食べ終えると「お風呂入ってくるっ」と言ってショケイスキーは部屋から出て行った。パタパタという足音が廊下に響く。

「可愛いなー…あいつ」

くつくつと笑うカンシュコフはショケイスキーが食べ終えたアイスのカップを捨て、食べられなかった二個を冷凍庫に戻す。最後に、残ったスプーンをくわえてみる。やっぱり、甘い。

でも一番甘いのはきっと君。




恋してる相手にだけ、馬鹿でもいいや。



ののさん、リクありがとうございました!
甘いですかこれ?;久々に文書いたのでちょっとおかしいかも…。気に入らなければ言ってください!




「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -