暑い。非常ーに蒸し暑い。滝のように汗が流れて息も荒い。室温は30℃を超えているだろう。…だと言うのに、だ。プーチンのお隣さんのキレネンコは涼しい顔でいつものように雑誌を捲っている。 「キレネンコさん…暑くないんですか?」 「……別に」 「そ、そうですか…」 それにしてもこの暑さには本当に参ってしまう。カンシュコフに水をもらえないか聞いてみようと立ち上がったのだが。 「…ぁ、、」 突然の立ち眩みに視界が反転していく。このままでは背中から床に打ってしまうと朦朧とする頭で考えるが抗うことも出来ずやって来るだろう衝撃を待った。しかしプーチンが感じたのは硬い床の感触ではなくもっと柔らかいもので。 「…大丈夫か」 目の前には赤い瞳が。 「あれ…キレネンコさん、本読んでた…」 倒れる直前までキレネンコは雑誌を読んでいた筈だ。それなのに今自分は彼に抱き止められているとはどういうことか。まさかあの一瞬で…?そこまで考えてくらり、とまた視界が歪む。 「寝てろ」 キレネンコはプーチンを軽々と抱き上げベッドに寝かせる。冷たい手に頭を撫でられて何だか暑さも引いていくようだった。凄く気持ちが良くなって眠気に襲われる。そう言えば小さい時はよくお父さんやお母さんに頭を撫でてもらったな、なんてことを思い出して。朦朧とする意識の中で涙が一筋流れた気がした。 思い返すと切ない、夏。 ああ、やっぱりこの人は優しい。 ‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐ うっかり泣いちゃったプー キレの優しさに感化されたみたいな 当初と大分話が変わったのでよく分からなく…← ← |