ベッドに寝転がり目を閉じてみる。さらさら眠くなんか無いのだが。真っ暗な部屋では物音一つしない。時々車の走る音が聞こえるくらいだ。静寂。時計を見ると午前一時。不意に向かいの部屋の扉を開く音が聞こえて。俺の部屋の扉の前で立ち止まる足音。別に起きても良かったのだけどなんとなく面倒臭くてそのまま狸寝入りを決め込んだ。静かに扉が開かれる。

「…ボリス?」

小さな声で名前を呼ばれる。けれどそこは無視。ゆっくりと気配が近付いてきてベッドの縁に重みが掛かる。…何だか凄く視線を感じる。思わず笑ってしまいそうになるのを堪えているとコプチェフに頬を撫でられた。くすぐったい。つーか、何すんだこいつ。まあ寝たフリなままの俺もどうかと思うが。

「…寝てるなんて珍しー」

くす、と笑う声が聞こえて。次の瞬間には唇に柔らかいものが当てられた。ああ多分、って言うか絶対キスされてる。バレないようにうっすらと目を開けるとやっぱり近くにコプチェフの顔があって。あまりにも真剣な顔で目を瞑っていたから。少し悪戯してやろうか、なんて。もう一度目を瞑り、そっとコプチェフの後頭部を押さえ付けた。

「…、!!??」

相手の息が詰まるのが分かって自然と口角が上がる。多分こいつ凄え驚いた顔してるんだろうなー…。ボリスが舌を絡めると初めの内は戸惑っていたコプチェフも段々と積極的になってきて。体制的に下であるボリスの口から二人分の唾液が伝う。頭を押さえ付けていた手の力を緩めるとゆっくりとコプチェフが顔を離した。

「…起きてたんだ」
「勝手にキスしてんじゃねえよヘタレ」
「いやー…つい、うっかり」

…はは、と情けねえ顔で笑う相棒にもう少し悪戯してやろうと思う。胸ぐらの辺りを引っ付かんで吐息が掛かるほど近くに顔を引き寄せる。

「ボリ、「そう言うのは起きてる時にしろよな」

そうして何か言いたそうな口を無理やり塞いだ。


悪戯
(面白えよなぁ、こいつ)
(…どうしてこう可愛いことするかなぁ)

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女王ボリスが書きたかったんだ…!!
ヘタレコプw




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